交差する木と木の間から子どもたちが顔をのぞかせる。「カンカンカン-」。くさびを打つ木づちの音が小気味よくリズムを刻む。
木の部材だけで組むジャングルジム「くむんだー」。山や森との関わりを学ぶ「木育」と、伝統的な大工技術を取り入れた玩具で、全国で活用が広がっている。
18日、岐阜県を拠点に体験会などを展開する「くむんだー郡上」の兼定裕嗣代表(54)が、母校の丹波市立三輪小学校(兵庫県丹波市市島町)でワークショップを開いた。
木の柱の穴に、横材の「貫」を差し、くさびを打ち込み固定する。シンプルだが、組めば大人の体重でもびくともしない。「木だけでこんなに頑丈なんや」。培われた技術を体感し、児童たちが目を輝かせた。
「現代の暮らしでは、本物の木や木材製品に触れる機会がめっきり減ってしまった」と兼定さん。「くむんだーとの出合いが、山や森の大切さ、素晴らしさを知るきっかけになれば」(秋山亮太)