なぜサッカーはすね当ての大きさをルール化しないのか…IFABが見解示す「審判ではなく選手個々の責任」

FIFAクラブワールドカップで浦和レッズと対戦したマンチェスター・シティ。

10番を背負うイングランド代表ジャック・グリリッシュは靴下をずり下げて履く選手として知られている。そのため、すね当ても極小サイズで、脛を守るという本来の意味はほぼなしていない。

浦和の大久保智明と比べても大きさの違いは一目瞭然だ。

サッカーの競技規則では「すね当ては、適切な材質でできていて、それ相応に保護することができ、ソックスで覆われていなければならない」と定められているが、サイズについては規定がない。

BBCによれば、コーチたちはこの数年ですね当てがかなり小さくなっていると話しており、選手の安全性が脅かされかねない懸念も出ているという。

ただ、サッカーのルールを定める国際機関であるIFAB(国際サッカー評議会)は、すね当てのサイズを規制する計画はないとのこと。

IFABの広報は「選手の足の大きさは千差万別で、(すね当ての)素材も多種多様。IFABの見解としては、これは審判ではなく選手個々の責任。若い選手の場合、その責任は(指導者や親や保護者)が負うべき」と述べたそう。一概に大きさで規制することはできないので、個々で対応すべきという立場のようだ。

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英3部チームのウィコムでクラブドクターを務めるボブ・サンガー氏は、すね当ての製造会社も経営しているが、「大きさの規定がないので、グレーゾーンになっている。影響力のある選手たちによるトレンドもある。残念ながら、サッカー選手はかなりゲンを担ぐので、いいと思っているやり方からずれるのをひどく嫌う」と憂慮している。

実際、グリリッシュが短いソックスなのは、幼い頃に洗濯で短く縮んでしまったソックスを履いたところいいプレーができたことが理由。

ただ、英国では幼い少年少女がプレーするサッカークラブで、小さいすね当てを禁止にするところも増えているそう。

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