JTBの調査によりますと、年末年始に帰省を含む国内旅行を予定している人は延べ2800万人と、2022年度に比べると3.7%増えています。東海道新幹線は12月28日から2024年1月4日に予約可能な379万席のうち、12月11日時点で約46%の173万席が埋まっているということです。
このうち、2023年度の年末年始期間中、全席指定席となる「のぞみ」は12月29日と30日が混み合っていて、両日とも午前中は満席です。年末年始の人出で懸念される車の渋滞。2023年度の渋滞はどうなるのか。
年末年始の渋滞の回数は2022年度を上回る可能性
渋滞の回数(NEXCO中日本予測)
年末年始にこの地方で起きると予測される、大きな渋滞の回数。10キロ以上の渋滞は上り線で16回、下り線で8回。20キロ以上の渋滞は上り線で2回、下り線で4回と、いずれも2022年度を上回っています。
コロナ前の2019年度と比べると10キロ以上の渋滞は同水準ですが、20キロ以上は下りで新たに4回増えています。
20キロ以上の渋滞予測(12月28日~2024年1月4日)
20キロ以上の渋滞が予測されるのは画像の3カ所です。
●12月29日、30日
伊勢湾岸自動車道の下り線 弥富木曽岬インターチェンジ付近
●2024年1月2日、3日
東名阪自動車道上り線 亀山パーキングエリア付近
新東名高速道路下り線 岡崎東インターチェンジ付近
NEXCO中日本の高速道路ドライブアドバイザー・林修平さんに渋滞予測について話を聞きました。
NEXCO中日本 高速道路ドライブアドバイザー 林修平さん
――まずは上りについて。東名阪自動車道の亀山パーキングエリア付近で1月2日、3日の正午から午後8時ごろの渋滞予想とのことですね。これは参拝客が影響しているのでしょうか。
このエリアの年始は伊勢神宮への初詣の帰りの渋滞で、特に1月2日、3日は大きな渋滞が発生すると予測しています。
名二環の全線開通による交通量増加や地形が理由に
弥富木曽岬インターチェンジ付近
――下りについては、2023年の20キロ以上の渋滞が4回予測されています。そのうちの1つが弥富木曽岬インターチェンジ付近。理由はどのようなことが挙げられますか。
2021年5月に名二環が全線開通したので、交通量が増えていることが理由の1つです。直近のゴールデンウイークやお盆でも、このエリアは20キロ近い渋滞が発生しています。このような交通量の増加によって大きな渋滞が発生すると予測しています。
――道路の形状やアクセスは関係していますか。
この場所は「サグ」と呼ばれる地形になっています。サグとは、下り坂から上り坂に差し掛かる地点のことです。上り坂に差し掛かったときは自然と速度が低下し、前の車との距離が近くなります。そして後続車が車間距離を取ろうとして、ブレーキを踏んでいく。このブレーキの連鎖が渋滞につながってしまうメカニズムになっています。
岡崎東インターチェンジ
――岡崎東インターチェンジ付近が新たに渋滞予測に加わりましたね。
要因の1つは2019年に新名神が開通し、5年経とうとしています。この開通効果によって新東名、そして新名神を結ぶルートの交通量が増えてきていることが要因としてあります。また、この付近も弥富木曽岬インターチェンジ付近同様、サグという地形。東名阪の亀山付近も同じくサグになっています。
渋滞が予測される日にちと時間帯を確認することが大切
渋滞が予測される日にちと時間帯を確認
――渋滞を避けるコツはありますでしょうか。
一番良い方法は渋滞が予測される日にちと時間帯を確認して、ずらしてもらうことです。日にちを変えられない方は、時間を少し避けてもらうだけでも、快適にお出かけを楽しめます。
NEXCO中日本のホームページで予測解説をしているので、事前に情報収集をしておくと良いかと思います。