副鼻腔炎の手術で高濃度の薬剤を誤って注射、患者が一時集中治療室に 尼崎総合医療センターで医療事故

兵庫県立尼崎総合医療センター=尼崎市東難波町2

 兵庫県は20日、県立尼崎総合医療センター(尼崎市)で、副鼻腔炎の手術を受けていた20代男性患者に誤って高濃度の薬剤を注射する医療事故があったと発表した。男性は心筋症を発症して集中治療室で処置を受けたが、現在は退院して後遺症はないという。

 県病院局によると、手術は9月5日に実施。注射する際は薄めなければならない止血剤「ボスミン」を医師が高濃度のまま注射したところ、血圧上昇や不整脈の症状が出た。ボスミンは塗布や散布する場合は高濃度で使う。医師が看護師に準備を指示する際に「いつも使用しているものでよい」と話したため、看護師は薬剤を薄めずに注射器に入れて渡したという。

 同センターは再発防止のため、薬剤の名前や目的、濃度など指示内容を具体的に確認する▽塗布や散布に使う場合は色付きの注射器を使う-などの対策を取っている。(金 慶順)

© 株式会社神戸新聞社