新喜劇・間寛平GMが2023年を総括、若手座員の食費もサポート

吉本新喜劇のGM(ゼネラルマネージャー)を務めるベテラン芸人の間寛平が12月20日、「吉本興業大阪本社」(大阪市中央区)で会見を開き、2023年を振りかえった。

2023年の「吉本新喜劇」を振りかえった間寛平(右)と、「九州新喜劇」のリーダーに任命された安井政史

■ 九州新喜劇の復活へ、新リーダーを発表

司会の座長・酒井藍から1年間の記憶に残るトピックを尋ねられた寛平は、『徹子の部屋』(テレビ朝日系)にも出演するなど、舞台にテレビにと大活躍した島田珠代を名指し、「頑張ったね」とねぎらったほか、座員の人気投票『新喜劇総選挙』とオールスター公演の『新喜劇まつり』、3月の新喜劇記念日で再演された自らの出世作『あっちこっち丁稚(でっち)』を挙げた。

新喜劇創立65周年を迎える2024年は、全国77公演を予定している。5月に亡くなった寿一実が率いていた九州での新喜劇も、熊本在住の芸人・安井政史をリーダーに、復活をもくろむ。安井は、銀シャリの橋本直とコンビを組んでいたこともあるベテランだ。

会見場には、安井本人も登場。座長就任をアピールしても、「お前、まだおもろないから」と拒否した寛平だが、安井の目指す芸人が自身の新人時代の大恩人・岡八朗だと言われると、「あの人も喜んでくれるやろ」と表情が和らいだ。

■ 74歳の寛平、若手座員の食事も「個人負担」

新喜劇の座員は現在、寛平以下109人。大所帯だが、人気者の数は限られる。芸人の世界の習いとはいえ、若手の多くは十分な経済的自立に程遠い。

会見に同席した「秘蔵っ子」と呼ばれる若手たちは、地方を回る『出前ツアー』などでファンとの交流会などを設け、彼らのギャラが増えるように勘案したり、イベント先での座員の弁当代を負担したりする寛平の心配りに感謝の言葉を述べた。若いころ、タレントグッズ販売に失敗、借金の保証人になった先輩芸人にも逃げられるなど、お金の苦労が絶えなかった苦労人らしい配慮だ。

2010年に見つかった前立腺がんとの付き合いも続いている。「普段から走っているので、いつも自分の体調がよく分かる。がんも今はおとなしくしてくれている」。少し疲れた様子を見せると、妻の光代さんが、「大丈夫か? 腰揉んだろか?」と声をかけてくるという。妻の万全のサポートをバックに、74歳の寛平が率いる吉本新喜劇は、来年も全国に笑いを届ける。

取材・文・写真/小根盛古

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