“頂き女子りりちゃん”に会いに行った 「悪いことだって思わないようにしていた」と振り返る詐欺の日々 

男性から1億5000万円以上をだまし取った罪などに問われた「頂き女子りりちゃん」…なぜ「頂き女子」となり、当時はどのようなことを考えていたのか?

12月20日、CBCテレビの同い年の女性記者が面会し、直接その思いを聞きました。

(渡邊真衣被告 25歳)
「魔法少女りりちゃん!」

「頂き女子りりちゃん」こと渡邊真衣(わたなべ まい)被告25歳。男性の好意を利用して現金1億5000万円以上をだまし取った詐欺の罪や、その手法をマニュアル化し名古屋市の大学生の女の詐欺を手助けした詐欺ほう助の罪に問われています。

(森本琴衣記者)
「『頂き女子りりちゃん』その素顔ははどんな素顔なのでしょうか。直接話を聞いてきます」

CBCテレビの裁判担当記者が12月20日、接見に。

(渡邊真衣被告 25歳)
「お願いしま~す」

記者が面会室に入ると、そこにはすでに渡邊被告が…かつての装いとは異なり、ノーメイクでメガネをかけていました。そのことについては…

(渡邊真衣被告)
「メイクだめだからすっぴん。恥ずかしい~。でもこっちの方が落ち着く」

接見に行った記者と渡邊被告は、同じ1998年生まれ…そのことを伝えると。

(渡邊真衣被告)
「わ~同い年!」

(記者)
「なんと呼んだらいいですか?」

(渡邊真衣被告)
「『りりちゃん』でも『渡邊さん』でも、なんでも!」

これまでの裁判で、ホストクラブでの売掛金の支払いに窮したことが「頂き女子」になったきっかけだと明かされました。

「頂き女子」が新語・流行語大賞にノミネートされたことは、女の子からの手紙で知ったといい、「うれしい」と一言。

「頂き女子」という言葉の由来は、風俗店の男性客から店以外のところでお金をもらう『裏引き』という言葉だったといいます。

(渡邊真衣被告)
「『何万引く』って、下品で言葉遣いが良くないなと思って、『頂く』にしようと思うとツイッターに書いたら、みんなが使ってくれるようになった。ある子から『りりちゃんだけの言葉にしたら?頂き女子とか』って言われて、そう言うようになった」
「ツイッターに『いくら稼いだ』、『担当にいくら使った』って載せていたら、女の子たちから『どうやったらそんなにもらえるの?』『どんなLINEしてるの?』ってリプライが来て、教えてあげるのが楽しかった。マニュアルの内容も全部自分で書いた」

男性からだまし取った総額は約3億円。渡邊被告は、男性から金をだまし取る手法をマニュアルにして販売し、約2000万円を売り上げました。

「頂き女子」としてカリスマ的存在にもなった渡邊被告…そうして得られたものは何だったのでしょうか?

「貢ぐことが素晴らしいことだと、自分に言い聞かせて洗脳していた」

(渡邊真衣被告)
「得られたもの?え~『強さ』かな。苦しいことしかなかった。死にそうだったけど、生きてるぞ、怖くないと思えた」
「応援してくれる子もいっぱいいたし、ホストもいたけど、孤独だった。『私のことは私にしか分からない』と思っていた」

渡邊被告の関連では「マニュアルを購入した女」「担当ホスト」「その店の責任者」の3人も逮捕・起訴され、熱心に通ったホストクラブも廃業に。

これまで多額の金を男性たちから「頂いた」ことについては…

(渡邊真衣被告)
「悪いことだって当時は思わないようにしていた。『これは正しいこと』『担当に頑張って貢ぐことが素晴らしいことなんだ』と自分に言い聞かせて洗脳していた」
「担当ホストは仲間というかビジネスパートナー。お金を使うのが当たり前で(店へは)『戦闘』に行く気分だった。行くの嫌だったけど、毎日行った」

今後については…

(渡邊真衣被告)
「自分でもこの中でずっと考えていて…どう生きようって。被害者の方に傷を癒やせるようにお返ししないといけないし、自分の生活や精神状態も整えないと。家もないし、『安心』が欠けているのが分かるから」

(記者)
「担当ホストにそれだけ貢ぎたくなった理由・魅力は?」

(渡邊真衣被告)
「歩くん(田中裕志被告)!どこが良かったんだろう~。今となってはわかんない。すごく惹かれるものがあった。しゃべり上手な人が好きで、歩くんはホストらしくなかった。ブランド物じゃらじゃら身に着けて、タワマンに住んでって感じじゃなくて、狭いアパートに住んで、パチモンをつけて、雨の日もカッパ着て自転車で店に来るような変な人。個性的だった」

(記者)
「いくらくらい貢いだ?」

(渡邊真衣被告)
「1億ぐらい」

次回の裁判は、来年2月に開かれる予定…「頂き女子」は、どんな言葉で自分の罪と向き合うのでしょうか?

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