ナンシー「里帰り」仏で金沢PR ツエーゲンのマスコット

日本文化イベントで金沢をPRするナンシー=ナンシー市内(金沢市提供)

 ツエーゲン金沢の公式マスコットキャラクター「ナンシー」が姉妹都市のフランス・ナンシー市を初めて訪問した。ナンシー市に拠点を置くプロサッカーチーム・ASナンシーの試合に駆け付け、日本文化のイベントでは金沢の魅力を伝えた。幼少期をナンシー市で過ごした設定のナンシーの「里帰り」が両市の絆を深めるのに一役買った。

 ツエーゲンのホームページなどによると、ナンシーは女の子で2017年に登場。石川で生まれ、幼い頃にナンシー市で育った「帰国子女」とされる。社交的で元気が良く、ピンクのリボンとマフラーが特徴。名前は金沢の方言「応援しんなんし(応援しないといけない)」に由来する。

  ●姉妹都市の試合応援

 ナンシーは11月24日、フランス・3部リーグのASナンシーのホーム試合に駆け付けた。ナンシー市のあるムールト・エ・モーゼル県の番号にちなみ、「ナンシー54」と書かれた特注ユニホームを身に着け、「キックオフ式」(始球式)を行った。サポーターやスタッフと写真撮影や握手で触れ合い、「ピンク色でかわいい」と歓迎を受けた。ASナンシーはナンシーの応援のかいもあって1-0で勝利した。

 12月2、3日に開催された日本ポップカルチャーのイベント「アニメスト」では、金沢市が姉妹都市提携50周年事業で初めて出展したブースに登場。留学中の金沢美大生らとともに金箔(きんぱく)貼りや和菓子の試食体験で魅力を紹介した。

 ナンシーは現地の来場者から「日本に行く予定だが、金沢は何日あれば楽しめるか」「どの季節がおすすめか」といった質問を受け、サインを求められる場面も。和菓子体験は行列をつくるほど人気を集めた。来場者数は2日間で約8千人だった。

 金沢市の担当者は「老若男女に幅広く金沢の魅力を伝え、ナンシー市との市民交流を盛り上げてくれた」とナンシーに感謝した。

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