高病原性「H5亜型」確定 野鳥の鳥インフル 長崎・諫早市

関係者に鳥インフルエンザの予防対策などを呼びかける綾香農林部長(中央)=県庁

 長崎県諫早市高来町で見つかった野鳥の死骸から鳥インフルエンザの陽性反応が出た事例について、県は20日、国の遺伝子検査の結果、高病原性の「H5亜型」を検出し、陽性が確定したと発表した。県内で確定したのは今季初で、野鳥では全国68例目。同日時点で県内の家禽(かきん)農場全127戸で異常は確認されていない。
 同日、県は本年度3回目の防疫対策会議を開催。養鶏や養卵の関係団体など約35人が参加した。冒頭、綾香直芳農林部長は「すでにウイルスが迫ってきていると強く認識していただきたい」とあいさつ。県の担当者が、石灰消毒などによる予防の徹底や年末年始の緊急連絡体制を確認した。
 会議に参加した県養鶏農業協同組合の深沢晃組合長は取材に、農場近くにため池など水場があると野鳥が飛来し、感染リスクが高まることから「せめて冬場は、水を抜く対策を県に行ってほしい」と注文した。
 環境省は18日付で、発見場所から10キロ圏内を野鳥監視重点区域に指定し、県は重点監視を実施している。


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