県職員の採用、全国で受験可に 来年度から、日時選択も 優秀な人材確保へ

栃木県庁

 栃木県は2024年度の県職員採用試験から、全国の会場で指定期間内の希望日時に受験できる「テストセンター方式」を導入する。1次試験の一部の枠を対象とし、全国に350カ所以上あるテストセンターのパソコンで受験が可能になる。志願者数が落ち込む中、受験しやすい環境を整えることで、優秀な人材の確保を狙う。

 導入対象となるのは、大学卒業程度の「早期枠」と、「社会人対象」「就職氷河期世代対象」の3区分。県が2~3週間程度の期間を指定し、受験者は日時とテストセンターの場所を選ぶ。

 1次試験を通過した場合、面接などがある2次試験は県庁で受験する。県人事委員会事務局によると、全国では11府県が同様の試験を導入しているという。

 早期枠は「特別枠」として実施されてきた区分で、志願者の取り込みを図るため通常より約2カ月早い6月上旬に合格発表を行ってきた。今回の試験方法の見直しに伴って名称を変更し、発表をさらに1週間程度前倒して原則6月1日にする。

 少子化や民間企業との競合を背景に、県職員採用試験の受験者は減少傾向にある。23年度の申込者数(通常枠・大学卒業程度)は672人で、10年前と比べ約6割減った。同事務局は「全国どこにいても受けられるようになったので、多くの方に受験してもらいたい」と呼びかけている。

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