福井県池田町と岐阜県を結ぶ国道417号冠山峠道路が開通し12月19日で1カ月を迎えた。同道路を中京方面や福井ナンバーの車が頻繁に往来し、開通前とは様子が一変した。町内の観光施設には道路利用する人が続々と立ち寄り、にぎわいを見せている。
各観光施設の担当者は、開通直後と比べると来場者数は「若干落ち着いてきている」というものの、「例年の同時期と比べると多い」と口をそろえた。
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開通から3週間たった今月10日、まちの駅「こってコテいけだ」は、県内外の客が買い物かごを片手に商品を見て回り、にぎわっていた。同駅で取り扱う商品の約7割は町内事業者が製造したもので、食品を中心に約350品種ある。町内にコンビニはなく、同町を訪れた人が休憩がてら立ち寄ることができる数少ない店舗の一つ。
運営するまちづくり会社「まちUPいけだ」の担当者によると、例年の同時期に比べ売り上げが1.5倍に増加したという。「開通前は夕方まで残っていた商品が、午後3時ごろには完売する」とうれしい悲鳴を上げている。
⇒【地図】国道417号冠山峠道路
この日は、かずら橋の来訪者は、咋年の第2日曜と比べると3倍以上多かった。岐阜県可児市から訪れた60代の夫婦は「開通したので初めてかずら橋に来てみた。自然の美しさだけでなく、スリルも味わえて面白い」と満喫した様子だった。渓流温泉冠荘でも、例年のこの時期と比べ1.2倍の客が訪れているという。
観光を担当する町農村政策課は「客数の伸びは天候の良しあしに影響され、雪が降ると客足が落ちるかもしれないが、冬季も冠山峠道路は通行できる。さらに春の行楽シーズンへの期待は大きい」と見通している。