奥能登で大雪警報 県内寒波、平地で30センチ予想 強風羽咋24㍍、金沢21㍍

羽田便が欠航となった能登空港で雪をどける除雪車=21日午前11時

 石川県内は21日、今季一番の寒波の影響で雪や風が強まり、各地で事故や交通の乱れが相次いだ。輪島など奥能登4市町に大雪警報、沿岸部には波浪警報が出された。金沢地方気象台によると、県内は22日にかけて大気の状態が不安定となり、同日午前6時までの24時間降雪量は多い所で平地30センチ、山地60センチを予想する。気象台は大雪や強風、路面の凍結などに警戒を呼び掛けている。

  ●スリップ事故8件、能登空港は欠航

 正午までの積雪は珠洲、輪島で5センチ、白山河内で3センチ、最大瞬間風速は羽咋24.3メートル、金沢21.4メートル、かほく21.0メートルを記録した。気温は右肩下がりで、最低気温は金沢2.1度、輪島0.4度と平年を1~2度下回った。

 石川県警によると、21日午前9時までの24時間で、県内では8件のスリップ事故が発生した。けが人はいなかった。能登空港では朝夕の羽田便が欠航となった。エプロン内で重機11台、乗客用の駐車場で同2台が除雪作業を行った。

 金沢市内では雪が降る中、子どもらが寒さに耐えながらスクールバスを待つ姿が見られた。

 金沢地方気象台によると、多い所での24時間降雪量は、22日午前6時までで加賀の平地25センチ、山地60センチ、能登の平地30センチ、山地50センチを見込む。22日午前6時~23日午前6時は加賀、能登の平地で10~20センチ、加賀の山地40~60センチ、能登の山地20~40センチを予想する。

  ●珠洲地震被災地「我慢するしか」

 5月に震度6強の揺れに襲われた珠洲市では、仮設住宅で過ごす人らから不安の声が聞かれた。

 地震被害が大きかった正院町の区長会長を務める濱木満喜(みつよし)さん(76)は、今も自宅が傾いたままで、ガムテープや板で隙間風が入るのを防いでいるとし「修理業者はどこも手いっぱいで順番待ちの状態。我慢するしかない」と話した。

 仮設住宅で暮らす中明子さん(78)は「仮設の中は寒くて凍えそう。昨夜からエアコンをつけっ放しで過ごしているが、暖房を使い続けていると今度は火事が怖くなる」と不安を口にした。市内では雪の中、被災家屋の修理に追われる作業員の姿が見られた。

雪の中、スクールバスを待つ児童=21日午前7時20分、金沢市太陽が丘3丁目

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