性の多様性、岩手県内で学び広がる 出前講座の依頼2.3倍に

講演会で性の多様性について学ぶ厨川中の1年生。性的少数者への関心の高まりを背景に、県男女共同参画センターへの出前講座依頼が増えている=盛岡市青山

 性の多様性に関する教育が岩手県内で広がっている。県男女共同参画センターの出前講座が近年増え、2022年度の小中高校からの依頼は20年度比2.3倍となった。性的少数者(LGBTQ+)への関心の高まりが背景にあるが、学校現場は指導方法や内容に対する不安を抱える。関係者は「性に限らず、人権尊重の意識も養える」と一層の拡大を願う。

 「性別は何でしょう?」。サッカーボールを蹴ったり、ピアノを弾いたりするアライグマのキャラクターがスクリーンに映された。雄か、雌か、それとも…。盛岡市青山の厨川中で11月下旬に開かれた講演会で、1年生200人が考えを巡らせた。

 講師を務めた、いわて思春期研究会副会長の佐藤卓さん(66)は自認する性、体の性、好きになる性の組み合わせは18種類あり、うち多数派は「自認」と「体」の性が一致し、異性を好きになる男性か女性の2種類だと説明。「あなたの『普通』は、無意識の偏見かもしれない」と説いた。

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