「原爆の図」の丸木夫妻の甥ら 旧陸軍被服支廠に「平和美術館」を提案 広島県に署名を提出

原爆の惨状を描いた画家、丸木位里・俊夫妻の甥たちが、国の重要文化財に選定されることになった旧広島陸軍被服支廠に、「平和美術館」の設置を求める署名を県に提出しました。

丸木夫妻の甥の小田芳生さんたちは県庁を訪れ、約5千人分の署名を県の担当者に提出しました。

小田さんたちは被服支廠の一部の施設で、市民や地元出身の画家が描いた原爆に関する絵画などを展示し、芸術を通じて平和を考える場所にできないかと提案しています。

また、丸木夫妻が描いた「原爆の図」のうち、「原爆の図」の原版を模写し、広島市現代美術館が所蔵している「再制作版」を展示することも提案しています。

丸木夫妻の甥 小田芳生さん(82)
「今ある原爆資料館と被服支廠を行ったり来たり出来るような場所になればいいと思う。違った要素のものがあって、お互いに感じ合える、深く感じ合えるものが生まれたらいいと思う」

広島県経営企画チーム 三島史雄政策監
「今回、頂いた『平和美術館』の構想は、一つの意見として検討させてもらいたいと考えている」

県は今後、国や広島市と設置している研究会で検討したいとしていて、小田さんたちは市や議会にも働きかけていきたいとしています。

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