織田作賞に乗代雄介さん 小説「それは誠」

乗代雄介さん

 気鋭の作家に贈られる第40回織田作之助賞は21日、乗代雄介さん(37)の小説「それは誠」(文芸春秋)に決まった。賞金は100万円。贈呈式は来年3月7日、大阪市中央区の綿業会館で開かれる予定。

 乗代さんは北海道生まれで、15年にデビュー。受賞作は複雑な家庭環境で育った男子高校生が主人公。修学旅行先の東京で、生き別れの「おじさん」に会おうとする小さな冒険を描く。

 乗代さんは「ある土地の中で『人間の可能性』を書こうと格闘した作家の名を冠する賞をいただき、光栄に思います」とのコメントを出した。

 選考委員で作家の古川日出男さんは「本当に苦闘して書いている姿勢に非常に感動を覚えた」と評価した。

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