黙して語らずの川勝知事 「コシヒカリ」に「文化施設は詰めの段階」…“不適切発言”めぐり深まる県議会との溝

静岡県議会12月定例会が12月21日、閉会しました。川勝平太知事の発言をめぐって県議会との溝は深まる一方だったこの1年。川勝知事は報道陣の問いかけには無言を貫きました。

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年内の議会が終わり、各会派へ挨拶回りをした川勝知事。

<静岡県 川勝平太知事>
Q.一年振り返って?
「…」

不適切発言をめぐり、議会から全会一致で発言の訂正を求められて以降、報道陣からの問いかけには無言を貫いています。

物価高騰対策を盛り込んだ約426億円の補正予算案など44の議案を可決し、閉会しました。そして、最終日も県議会議員からは、川勝知事の政治姿勢を問う厳しい意見が飛びました。

<自民改革会議 野田治久静岡県議>
「毎回のように知事の言動が発端となり、県全体に無用の混乱を招き、議会運営が空転する事態を招いています。今後の自身の言動には細心の注意を払い、県民の利益を損なうことのないよう、強く要望します」

振り返れば、この1年は川勝知事の発言をめぐって県議会との溝は深まる一方でした。

<静岡県 川勝平太知事>
「あちら(御殿場市)はコシヒカリしかない。だから飯だけ食って、それで農業だと思っている」

2021年の参院選補選で、川勝知事は御殿場市について「コシヒカリしかない」と発言。県議会から猛烈な批判を受け、川勝知事はペナルティとして、給与とボーナス446万円ほどを返上する意向を示していましたが、2023年7月、給与を返上していないことが発覚。最大会派の自民改革会議は50年ぶりとなる県知事への不信任決議案を提出しました。

<静岡県議会 中沢公彦議長>
「賛成50、反対18、川勝知事に対する不信任決議案を否決します」

結果、1票及ばず否決されたものの、川勝知事と県議会の“論争”はこれで終わりませんでした。

川勝知事が今年10月、外部との懇談会で三島市の国有地に東アジア文化都市の発展的継承センターを作る構想を語り「詰めの段階」などと発言。この発言に対して県議会は「何も聞かされていなかった」と猛反発。発言の訂正を求めましたが…。

<静岡県 川勝平太知事>
「今回の私の発言は、東アジア文化都市のレガシー創出に向けた私の思いを語ったものであり、発言の訂正はしないが」

<議員からのヤジ>
「おかしいだろ!」

<自民改革会議所属県議>
「もうちょっと闘う姿勢をみせないとだめ!なめられてるんだよ、完全に!訂正させなきゃだめ!」

静岡県議会が全会一致で川勝知事の訂正を求める決議案を可決する事態にまで発展しました。これを受け、川勝知事は…。

<静岡県 川勝平太知事>
「誠に申し訳なく思っています。それゆえ、心よりお詫び申し上げます。今回の三島市内の東アジア文化都市の継承拠点の件は、一旦立ち止まり、白紙といたします」

知事は謝罪した上で「構想の白紙」を表明しました。最大会派の自民改革会議は今後の知事との関係について…。

<自民改革会議 増田享大代表>
「知事をまわりで支えている方にも、同じ認識で、知事の発言は発信力があるし、重みがあるので、県としての方向性・意思になってしまうので、その点は職員のみなさんにも留意くださいと求めていきたい」

川勝知事と県議会の関係は、2024年こそ修復できるのでしょうか。

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