ことしのドラフトで阪神から5位指名されたJR西日本の 石黒佑弥 投手が、最後の駅員勤務でJR下祇園駅(広島市)に立ちました。
JR可部線の下祇園駅です。12月12日の朝8時、石黒佑弥 投手が最後の勤務にやってきました。
JR西日本(阪神ドラフト5位) 石黒佑弥 投手
「しっかりとみなさんにあいさつできるようにしっかりと締めて終わりたいと思います」
石黒投手が下祇園駅に赴任してから2年―。午前中を駅員として勤務し、午後からは野球の練習に向かう生活でした。制服を着るのは、この日が最後になります。
石黒佑弥 投手
「着られないと思うとさみしいですね」
― かっこいいですよね。
「ピシッとしているので、かっこいいですね」
前日に阪神で入団会見が行われ、背番号は63に決まりました。推定で契約金は4000万円、年俸は750万円です。ことし、日本一になった阪神には好投手が多く、勝負の1年を迎えます。
石黒佑弥 投手
― 好きな鉄道会社は?
「JR西日本です。このあとは阪神電鉄さんに乗り換えするって感じです」
「緊張しましたけど、楽しかったですね」
― 岡田監督としゃべった?
「とてもオーラがあるかたでした。メディアの数はすごいなと、食らったことのないフラッシュを受けました」
去年は有力候補となりながら指名漏れを経験。実は、「ことしも厳しい」という声も聞こえていました。
JR下祇園駅 平田博幸 駅長
「騒がないようにして、まあ、よかったです」
8時半の勤務開始前に背番号入りのサインを書いていきます。
石黒佑弥 投手
― 背番号63、いかがですか?
「調べたら新庄さんの背番号だったのでがんばりたい」
― 阪神タイガースでもがんばってください。
「ありがとうございます」
「あっちで70枚ぐらい書いたので、一気にばーっと。だんだん慣れてきました」
そして、8時半。毎朝行っている日課、改札口でのあいさつに向かいます。
石黒佑弥 投手
「ありがとうございます。おはようございます」
― 恥ずかしさとか最初は?
「最初はありましたけど、だんだん慣れてきて、だいたい来る人を覚えているというか、わかるので、ちょっとでも元気よく、気持ちよくなってほしいなと思って」
すると乗客から…
乗客
「がんばってください」
石黒佑弥 投手
「ありがとうございます。石黒です。よろしくお願いします」
ドラフト指名後は、声をかけられることが増えたといいます
乗客
「がんばってください。応援しています」
石黒佑弥 投手
「ありがとうございます。がんばります」
午前9時、駅長以下、全員そろっての朝礼です。
石黒佑弥 投手
「広島駅よりもお客さんが少なくて、自分にはとてもやりやすく、平和な可部線が好きでした」
平田博幸 駅長
「阪神に指名されて、やっとスタートラインに立ったというところなので、これからがんばっていただきたいと思います」
デスクワークをこなし、駅のホームへ見回りに…。ゴミがあれば取り除きます。傘の忘れ物も多いといいます。
石黒佑弥 投手
「ホームに忘れ物ですね、ベンチ。プロにいっちゃうと、なかなか(実家に)帰られなかったりするので、今のうちにできることをやって、親孝行したいなと思います。ほかの駅にはない感じなので特別感があっていいです。思い出深いです」
最後の勤務はあっという間に終わりました。
平田博幸 駅長
「これからがんばってください」
石黒佑弥 投手
「ありがとうございます」
同僚
「いつも元気で気をつかって、いろいろ手伝ってもくれるので助かって」
平田博幸 駅長
「同じ部署で働いている者がグラウンドで活躍してくれるっていうのがいいですね」
最後は、駅舎をバックに記念撮影。
JR西日本(阪神ドラフト5位) 石黒佑弥 投手
「カープではなく、すいません。阪神タイガースの石黒です。これから熱い声援をよろしくお願いします」
石黒投手は、新たな目的地を目指し、出発進行です。