前原誠司氏らが新党「教育無償化を実現する会」結党会見 「過去の方々にもさかのぼって」奨学金返済免除も基本政策に

前原誠司衆院議員(61)が21日、国会内で、11月30日に結成を表明していた新党「教育無償化を実現する会」の結党会見を行った。結党は13日付で、14日に総務省が届出を受理した。

会見には代表の前原氏の他、副代表の嘉田由紀子参院議員(73)、幹事長の徳永久志衆院議員(60)、政調会長の斎藤アレックス衆院議員(38)、国対委員長の鈴木敦衆院議員(35)が出席した。

前原氏は、自民党派閥による政治資金パーティーの問題に触れ「政権与党が自浄能力がないというのが明らかになった。野党が力を合わせて、政権交代を担う大きな塊を創っていかないといけない。野党をまとめていかなくちゃいけないという時期に来ている」と指摘。「5人の小さな政党でありますけども、政治改革、教育の無償化、少なくとも教育予算の倍増。こういったことを他の野党に呼びかけをさせていただき、ともに日本を変えて政権交代を実現する起爆剤になれば我々の本望」と強調した。

「教育無償化を実現する会」という党名に込めた思いについて、前原氏は「この党名にしてよかった。賛否両論があり、教育無償化というだけで良いという方もおられれれば、教育無償化をすれば党は無くなるのかと。議論を巻き起こしたということで、私は目的をひとつ達成したのではないかと思っている」と自負した。

前原氏は「教育無償化というものは入口であって必要条件であって、そこから大きな様々なことを変えていくことにつながる。我々はワンイシューのパーティー(集団)ではない」と力説。所得制限のない教育無償化による教育格差の是正が、少子化対策や国際競争力の回復、賃金の上昇など日本の危機を克服するための核になるとした。

子どもだけでない全世代の教育無償化を訴え、実現していくとした前原氏は「大人の学び直しというものをしっかり含めていく」と、リカレント教育(社会人が教育機関で学び直すこと)にも言及。さらに「教育無償化をするということであれば、過去の方々にもさかのぼって教育無償化を実現していきたい。いま奨学金を抱えて返済され、社会人にとしてそれが重荷になっている方々にとっては、返済免除するルールを創っていきたい」と、奨学金返済の免除も基本政策に掲げるとした。

教育無償化を看板政策にする立憲民主党の泉健太代表(49)、日本維新の会の馬場伸幸代表(58)とも「よく話をしている。これからもしっかりと連携を取りながら、何とか野党としての連携がつよくなるような役割を微力でも果たせればと思っている。非自民・非共産の協力というものについて、主に立憲さんや維新さんとはしっかりと対話を重ねてまいりたい」と、共産党をのぞいた野党結集を呼びかけた。

前原氏らは、路線の違いから国民民主党に離党届を出し除籍(除名)されているが「もともとの仲間でございますし、別に政策的に違いがあるわけではない。非自民・非共産の中には国民民主党は政策的に入る。ぜひ協力を進められる環境になれば、国民民主党ともしっかりと話ができればと思っている」とした。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

© 株式会社神戸新聞社