原因は寄生虫か? メダカが何故か痩る《メダカ痩せ細り病》の原因。

メダカを飼育いしてる釣り人って多いのではないでしょうか。メダカを飼育していると、目立った外傷などもなく急激に痩せていき、最終的に衰弱して死んでしまう、通称”痩せ細り病”が見られることがあります。

●文:ルアマガプラス編集部

メダカが痩せる「痩せ細り病」

メダカ飼育者を悩ませるこの痩せ細り病ですが、詳しい発生原因や対処方法は明らかになっていないのが現状です。

水槽を買おうとしたら、まず目につく「GEX」の水槽を製造・販売しているジェックス株式会社は、奈良女子大学 保智己名誉教授と共に、痩せ細り病を発症したメダカの体内の構造を観察し、体のどの部分に異変が起こっているのか研究を行いました。

その結果、健康なメダカと比較して同症状を発症したメダカの腎臓組織には高確率で寄生虫のような像が確認された点【図2、図3】、加えて抗酸菌(Mycobacterium科)と呼ばれる土壌や水系など幅広い環境に生息する細菌の感染が見られた点【図4、図5】、またその他の各種器官(エラ、肝臓、消化管、筋肉、生殖腺)では痩せに繋がるような異変は見られない点が明らかになりました。

本研究から、メダカの痩せ細り病は腎臓への寄生虫もしくは抗酸菌感染が原因である可能性が示されました。抗酸菌に関しては市販の魚病薬でも対処が難しいということもあり、現状有効な対処法がない状況です。これを踏まえて今後は感染経路の調査や、原因に応じた効果的な予防方法の探索を行っていく予定です。


※本記事は”ルアマガプラス”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。

© 株式会社 内外出版社