ブリの切り身で見かける「赤いヒモ」は寄生虫だった! アニサキスとの違いや食中毒の影響など

釣り上げたブリを捌いてみたら「ギャーッ」と叫んでしまいそうなブリ糸状虫(ブリ線虫)。これはスーパーなどで購入したブリの切り身でも同じことが起こる可能性がある。ミミズのようなグロテスクな見た目だがアニサキスの太い版? 食べてしまったらどうなるのか? 疑問に思った方も少なくないかもしれない。

●文:ルアマガプラス編集部

ブリの身に潜む寄生虫「ブリ糸状虫(しじょうちゅう)」

釣ったり購入したブリを捌こうとしたら突如として姿をあらわす「ブリ糸状虫(ブリ線虫とも呼ばれる)」。アニサキスと違いかなり大きく長い寄生虫ということもあり、見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。

― ブリ糸状虫(ブリ線虫)

小さいもので5cm、大きいものだと50cmにもなるブリ糸状虫。ブリの身にとぐろを巻いたように寄生している。ブリの体液を吸っているため、ミミズのような橙赤色をしている。

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ブリ糸状虫に寄生された部分はポッカリと穴が空いてしまい、50cmもの大物ブリ糸状虫が寄生していた場合は、大部分にわたり空洞が続く。そのため刺し身にすると非常に見た目が悪くなってしまう。

このブリ糸状虫を人が食べてしまうとどうなってしまうのか。農林水産省の相談例によると実はブリ糸状虫は人の体内に寄生したり、卵を産み付けることもなく無害な寄生虫だ。

― アニサキスとの違い

ブリ糸状虫とアニサキスは全く別の生き物で、ブリ糸状虫を口にしても衛生上の問題はない。しかし、アニサキスの場合は「急性胃アニサキス症」を引き起こしてしまう。さらに幼虫の場合、体長が数cmということで非常に見つけづらい。魚の生食をする場合は気をつけたい。

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