馬の所有権示す「焼印」、関東初の出土 茨城・結城の香取前遺跡調査 23日現地説明会

関東で初めて出土した「焼印」(結城市教育委員会提供)

茨城県結城市武井の香取前遺跡の発掘調査で、馬の所有権を示す印を付ける道具「焼印」が出土したことが、21日までに分かった。調査を行った結城市教育委員会によると、関東で初めての出土で、室町時代後期のものとみられる。市教委は23日午前10時半と午後1時半に、一般市民向けの現地説明会を開く。

焼印は鉄製で長さ約20センチ、最大幅約10センチ。持ち手に木製の柄を付けて使用し、高温に加熱した後に馬の後脚部などに押し当てて、家紋や記号などの焼き印を付けていたと考えられている。遺跡西側の地下から出土した。

これまでの調査で茶器や漆器などが同所から出土している。市教委は、同所が財力のある武士などの有力者の関わった集落の可能性が高いとしている。焼印の家紋や記号を判別できれば、持ち主を特定できる可能性もある。市教委生涯学習課の斉藤達也さん(33)は「集落に関与した武士が誰なのか解き明かす鍵として調べていきたい」と話した。

発掘調査は県の農地整備事業に伴い2020年度に開始し、本年度が最後となる。出土品は数年かけて分析した後、展覧会などでの公開を検討するという。

現地説明会の詳細は、市ホームページで案内されている。

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