【有馬記念/データ攻略】「枠関係なく、馬の力で買える」実力馬 “馬券内率80%”でグランプリ制覇へ

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今週は中山競馬場で有馬記念(芝2500m)が行われる。有力馬が外枠を引き当てたことで、難易度がさらに増した感がある今年。馬場傾向や血統、データなど混戦ムードを断ち切るための材料があるに越したことはない。

ここでは、過去10年データからタスティエーラシャフリヤールのダービー馬2頭にフォーカスした「83 or 0%」データを取り上げる。

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■タスティエーラに【1.1.2.1】の好データ

春はダービーを制し、前走菊花賞は2着。世代トップクラスの称号を得て大一番に臨むのがタスティエーラだ。ほとんどのレースで人気以上の着順をマークする安定感が魅力の1頭。初の古馬相手での力差が気になるところだが、半信半疑の声を一蹴するデータがこちら。

・前走菊花賞2着内馬の成績【1.1.2.1】

5戦中4戦で馬券内の“80%データ”に該当。2016年にサトノダイヤモンドが勝利を飾り、それぞれ4番人気だったキタサンブラック、ワールドプレミアが3着に入るなど本レースと抜群の相性を示しているのだ。

この馬について補足すると、中山芝を使われた2戦ともに連対。皐月賞は馬場悪化による極端な外差し馬場だったが、早め先頭から先行勢で唯一掲示板内を確保する強い競馬だった。鞍上は世界を股にかける歴戦の強者R.ムーア。やや外めの枠がカギとなるが、1コーナーを迎えるまでにインの好位を取りきれるようなら勝機は見えてくる。

■シャフリヤールにのしかかる【0.0.0.14】

タスティエーラとは対照的に“0%データ”に該当してしまったのがシャフリヤールだ。3歳時に日本ダービー制覇、4歳にはドバイシーマクラシックを制するなどワールド・ワイドな活躍をみせる馬。絶好の内枠を引き当てたダービー馬の復活に期待がかかるが、越えるべき壁は決して低くない。

・年内にGI連対歴のないディープインパクト産駒【0.0.0.14】

のべ10頭以上が馬券外の“0%データ”に抵触。当日3番人気に支持されていたカレンブーケドールやGI好走から臨んだミッキークイーン、ジャスティンパレスなど粒揃いだったが、全頭が馬券外に沈んでいる。直近のGI連対歴を持たないディープインパクト産駒にとって鬼門と言えるデータだ。

シャフリヤールは今回が自身初の中山。前述のダービーやドバイシーマクラシックに加えて、2年連続で馬券内に入ったジャパンカップと左回りの芝2400m付近がスイートスポットであることは間違いないだろう。豪華メンバーが集結した有馬記念において、データ上は“消し”と言わざるを得ない。

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著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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