クリーニング代高騰で「おしゃれ着洗い」に革命を!(1)ウールやカシミアの洗濯は「シャンプ―&リンス」が正解

シャンプーはよく泡立てる

クリーニング代が高い。原油価格の高騰や包材などの資材価格上昇で、価格改定が相次いでいる。クリーニング店大手の白洋舎は、’22年に続く今年2度目の値上げで、値上げ率は平均して6.7%に上る。

SNSでも、

《割引クーポン使っても4000円以上で泣く》
《去年はファーの部分が980円だったのに今年は1250円もした》

など、多くの嘆きの声が投稿され、共感を集めている。

そんな中、自宅洗濯歴20年、おうち洗濯の実験結果などを紹介するブログ「洗濯ラボノート」を運営する、おうちクリーニング研究家のハナさんは、次のように話す。

「冬物は自宅で洗濯できないものが多く、失敗も怖いので、クリーニング代で気が重いと悩まれる方もいますが、シャンプーなどのヘアケア用品を使えば、失敗せずカンタンに洗えるんです」

ハナさんの実験によれば、ウールやカシミアなどのセーターやカーディガンといったデリケートな衣類は、シャンプーとリンスで手洗いすれば、ふっくら柔らかく仕上がるという。

「ウールやカシミアは動物性繊維で、人間の髪の毛と性質がとても似ていることに注目しました。シャンプーは弱アルカリ性で皮脂を洗い流す洗浄力が高い一方で、髪を守る成分が入っているため、ダメージを最低限に抑えながら洗えるのです」

デリケート衣類に使うおしゃれ着用洗剤は中性で優しく洗えるが、洗浄力が弱いため汚れを落としきれないのが難点だという。

「実は油性の洗剤で洗うドライクリーニングだけでは、汗など水性の汚れは落とせません。毎年、大切にクリーニング店に持っていっている服も、1度水洗いすると、ドライクリーニングで落としきれずに蓄積された汚れの層が落ちて、くすみが取れ、色も蘇ります」

マフラーやニット帽などの冬小物も、主に頭皮や汗汚れなので、シャンプーのほうがすっきり洗えるという。

ただ、セーターやニットを手洗いすると、縮んだり、ヨレヨレになったりする心配は?

「縮む主な原因は、水に長く浸け過ぎることと、アルカリ性洗剤など間違った洗剤を使うこと。シャンプーは洗浄力が高いので、水に浸ける時間がごく短くすみます。また、アルカリ性に傾いた繊維を酸性に戻すためにリンスを使うことで、型崩れの失敗も少なく、柔軟剤と同じ役割をするため柔らかく仕上がるのです」

さっそく、洗い方のコツをハナさんに教えてもらった。

【準備するもの】

シャンプー、リンス(コンディショナー)、風呂桶

【手順】

(1)風呂桶などに水をはり(2L程度)、シャンプーを2プッシュ入れ、溶かすように軽く泡立てる。
(2)型崩れしにくいように軽く畳んだまま衣類を(1)に浸ける。
(3)5分間つけ置き。洗浄力が高いため、押し洗いは必要ない。シミがあるなど気になる汚れがあれば、つまみ洗いを。
(4)軽く水を切り、洗濯ネットを使わず、そのまま洗濯機に入れて1分間、脱水する。その後、新しい水を入れた風呂桶で1度だけ軽くすすぐ。何度も水をかえてすすぐより、衣類へのダメージが少なくすむ。
(5)新しい水を入れた風呂桶にリンスを1~2プッシュ入れる。溶かすように混ぜ、衣類を入れてリンス液が行き渡ったら、同様に洗濯機で1分脱水したあと、水ですすぎ、さらに洗濯機で1分脱水する。
(6)直射日光に当たらない場所で陰干し。ニットなどはハンガーにかけて干すと型崩れの原因になるため平干し。

「手洗いの前に、色落ちチェックをすると安心です。キッチンペーパーを指に巻きつけ、水に溶かしたシャンプー液を少量つけて、衣類の裏面など目立たない場所を叩き、色移りがないか確認を。うっすら色移りしていれば単体で洗濯し、ひどく色が落ちてしまうなら自宅で洗うのは諦めましょう」

また、自宅で手洗いをする場合、洗濯表示マークで「水洗い不可」になっているものは、クリーニング店に持っていくのがベター。

さあ、普段使っているヘアケア用品で、冬物衣類のケアを試してみて!

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