広島県警「カラ出張」問題 書類送検の3人は不起訴処分 広島地検「情状全般を考慮」

広島県警のいわゆる「カラ出張」が内部告発された問題で、広島地検は22日、詐欺と虚偽公文書作成・行使の疑いで書類送検された3人を不起訴処分としました。

不起訴処分となったのは、広島県警本部に勤務していた元警部の男性(53)、県内の警察署に勤務する男性警部補(50)と男性巡査部長(35)のあわせて3人です。処分の理由について広島地検は「情状全般を考慮した」としています。

県警によりますと、今回の問題には書類送検された3人を含む、あわせて5人が関与。福山市内の警察署で2019年4月ごろから2021年2月ごろまで計32回、旅費と時間外勤務手当あわせておよそ16万7000円を不正に受給したとされています。

中には元警部の男性の指示によって2人で予定していた出張に1人しか行かなかった「カラ出張」のほか、男性が自分1人の出張に予定通りの日時に行かなかったケースもあったということです。

書類送検された3人に対し、県警は8日、元警部の男性を減給1か月、男性警部補と男性巡査部長を戒告の懲戒処分とし、元警部の男性は同日付けで辞職していました。

一方、この問題に関与した5人のうち1人で、内部告発した元県警巡査部長の粟根康智さん(44)は▽自分の不正受給額からみて県警が認定した5人の受給額は少なく▽出張で面談した相手に渡していた「捜査協力費」も含まれていないなどとして、「真相は解明されていない」と主張しています。

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