孤立「灯油買えない」 奥能登で大雪、募る不安 倒木、電柱道ふさぐ 

 能登を襲った冬至の大雪で、奥能登で孤立する世帯が相次いだ。倒木が道路をふさぎ、電柱が傾いて停電が発生し、住民の安否を確認できない集落も。「灯油を買いに行くこともできない」。寒さと不安が募る中、関係機関は懸命の復旧作業を進めた。

 県道が倒木で通行止めとなり、16世帯約20人が孤立した能登町北河内。22日正午現在、復旧の見通しは立っておらず、町は迂回(うかい)路として冬季通行止めとしている町道の除雪作業を急いでいる。

 北河内の池田光正区長(73)によると、勤めや用事で住民約10人が集落を離れた後、通行できなくなった。孤立しているのは高齢者が中心で、池田さんは「除雪機用の軽油や暖房用の灯油がなくなっても、買いに行くこともできない。早く孤立状態を解消してほしい」と話した。

 22日午前6時ごろ、珠洲市宝立町柏原の市道で雪の重みで倒れた木が電線に覆いかぶさり、道をふさいでいると、除雪業者から市に連絡があった。

 現場は火の宮神社脇の市道で、道路の先に高齢夫婦が住んでいるといい、連絡が取れない状況となっている。

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