ふげん使用済み核燃料のフランス搬出4年遅れ 原子力機構、2027年度開始で最終調整

新型転換炉ふげん=2022年11月、福井県敦賀市(福井新聞社ヘリから撮影)

 廃炉作業中の新型転換炉ふげん(福井県敦賀市)内に保管している使用済み核燃料のフランスへの搬出計画について、日本原子力研究開発機構が本年度中としていた搬出開始時期を4年遅らせ、2027年度とする方向で最終調整していることが12月20日、関係者への取材で分かった。

 搬出期間も現計画に比べて1年以上延ばす方向で、26年夏ごろとしていた搬出完了時期は31年度になる見通し。40年度とするふげんの廃炉完了時期には影響はないとみられる。

 ふげんの使用済み核燃料の搬出を巡っては、海外で製造している燃料輸送容器「キャスク」に使われる緩衝材の性能が、設計時の基準を満たさないことが判明。所管する文部科学省は今年5月、緩衝材の寸法変更などが必要になり、搬出計画が遅れるとの見通しを福井県と敦賀市に伝達。再検討した搬出計画を年内に提示する方針を示していた。

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 関係者によると、フランスへの搬出は複数回に分けて輸送する計画。搬出期間が延びるのは、フランスの規制当局側の手続きが当初予定よりも時間を要することなどが理由という。

 ふげんは03年に運転を終え、08年から廃炉作業に着手。使用済み核燃料は現在、466体保管されている。原子力機構は当初、12年度に搬出完了する計画だったが、搬出先の東海再処理施設(茨城県)の廃止などでこれまでに2度延期している。

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