【有馬記念/追い切り診断】タスティエーラらを上回る「S」の最高評価 「前走から数段上の気配でV候補」

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■ジャスティンパレス

【中間調整】2歳暮れのホープフルSで2着。明けて昨年春のクラッシックは皐月賞、日本ダービーともに9着に終わったが、神戸新聞杯で2着に3馬身半差をつける快勝で重賞初制覇。菊花賞では3着に食い込んでみせた。明けて今年の春は阪神大賞典を快勝、そして天皇賞・春では2着に2馬身半差と阪神大賞典以上の着差で勝利を収め、晴れてGIウィナーの仲間入りを果たした。次の宝塚記念3着後は休養に入り、天皇賞・秋で復帰。最終坂路追いのラスト1Fが13秒0と要しており、本調子にはなかったようだが終い最速の末脚を繰り出し、レコード勝ちしたイクイノックスに0秒4差まで迫る2着に入った。

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その後放牧に出され、トラブルなどはなく予定通り秋2戦目として昨年は7着に終わった有馬記念でのリベンジを期すことに。ノーザンファームしがらきから11月29日に栗東へ戻っている。12月3日に坂路14-14で体をほぐし、6日にはCW1F12秒2を馬なりでマーク。横山武騎手が騎乗した1週前のCW併せ馬では古馬2勝クラス相手とはいえ、外マクりから豪快に千切って4馬身の先着を果たした。抜け出したあとも気を抜かせないよう、鞍上が懸命にしごき、馬はまっすぐな走りで応えていたのが好印象。

【最終追い切り】1週前に猛時計を出したのが実質の最終追い。レース当週は調整パートナーである高倉騎手が騎乗し、坂路単走で終いだけ伸ばす内容に留まる。序盤はリラックスしつつもしっかり闘志を内に秘め、手綱を緩められたラストでは体を大きく使い、弾けた。

【見解】6日の2週前追いは本来併せ馬にしたかったようだが、相手馬がついてこれなかったのか単走となる誤算。それを踏まえて1週前追いの併せ馬では負荷をグンと強める調整ができていた。ジャパンCを見送り、調整期間をじっくりとったからこそのサジ加減。1週前までの負荷で心身ともに充実したようで、最終追いの坂路での動きはまさに迫力満点。物足りなさがあった前走時から数段上の攻め気配で、Vに一番近いのはこの馬だろう。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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