「厚労省」「警視庁」「検察」装ってSNS利用も 特殊詐欺で約1000万円被害 ネット送金で

警察官など官公庁の職員を装った上、SNSを利用した特殊詐欺の被害に広島県内の男性が遭い、およそ1000万円をだまし取られたと県警が発表しました。

発表によりますと、被害に遭ったのは、広島県呉市内に住む自営業の男性(40代)です。

12月14日、男性の携帯電話に「厚生労働省医薬局」を名乗る女から「東京都内であなた名義で薬が大量に購入されており、何らかの犯罪に巻き込まれている可能性があるため、警視庁の警察官と連絡を取る必要がある」などと電話がありました。

その後、男性が「警視庁特別捜査本部」を名乗る男とSNSで連絡を取ると、音声通話やビデオ通話で「あなた名義の口座がマネーロンダリングに使用されており、あなたにその容疑がかけられている」、「捜査中の案件であるのでこのことを誰にも言ってはいけない」、「容疑を晴らすために、一度お金を預かる必要があるので、お金を振り込んで欲しい」などと言われました。ビデオ通話の際には、「警視庁特別捜査本部」を名乗る男は制服姿で警察手帳のようなものを提示し、ほかにも「検察職員」を名乗る男が無言で登場したといいます。

さらに、その後、「警視庁特別捜査本部」を名乗る男から東京地裁が作成したとされる書類の画像がSNSで送信されるなどのやりとりがありました。男性は男らに言われるがまま、12月21日、インターネットバンキングで999万4100円を送金し、だまし取られたということです。

事件を捜査している広島県広警察署は「警察官や検察官がSNSで捜査関係者とやりとりすることは絶対にありません。このような電話がかかってきたら、すぐに110番通報してください」と話しています。

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