「強固な殺意に基づく残虐な犯行」無期懲役を求刑 京都の強盗殺人公判が結審

京都地裁

 京都市西京区の市営住宅で2021年7月、住人の男性を殺害し現金入りの財布を奪ったとして、強盗殺人などの罪に問われた無職小林新太郎被告(51)の裁判員裁判が12月22日、京都地裁(安永武央裁判長)であり、検察側は無期懲役を求刑した。弁護側は改めて無罪を主張し、結審した。判決は2024年1月12日。

 起訴状によると、2021年7月12日午後5時半~同45分ごろ、京都市西京区樫原の市営住宅にある開田隆弘さん=当時(80)=宅に侵入し、首などを刃物で複数回突き刺して殺害して、現金約9万円が入った財布などを奪ったとしている。

 論告で検察側は、小林被告が開田さん宅を出入りする姿が目撃され、室内でDNA型が検出されたことなどから、「被告が犯人でなければ合理的に説明できない」と指摘。金品を奪う目的で1人暮らしの高齢者を狙ったとし、「強固な殺意に基づく執拗(しつよう)で残虐な犯行だ」と非難した。

 弁護側は、事件後に所持していた現金は被告が自宅のタンスで見つけたへそくりだったとし、「殺害したことや財布などを奪取したことは、十分な立証がされていない」と反論した。

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