【2023年台風まとめ】9月以降の発生は“史上最少” 「明確な理由はわからない」と気象庁 年間17個発生 日本への接近9個・上陸1個 大雨特別警報もたらした台風も

9月以降の発生は史上最も少ない「明確な理由はわからない」

22日、気象庁は2023年の台風についてのまとめを発表しました。

発生状況
台風の発生数は平年より少ない 17 個(平年値 25.1 個)となり、1951 年(昭和 26 年)の統計開始以降 3 番目の少なさとなりました。

特に9 月の発生数が 2 個(平年値 5.0 個)、10 月の発生数が 2 個(平年値3.4 個)となるなど、9 月以降の発生数 5 個(平年値 11.6 個)は 1951 年(昭和26 年)の統計開始以降最も少なくなっています。

台風の発生が少なかった原因について気象庁は「明確な理由はわかっていませんが、秋に南シナ海からフィリピン付近まで広がる気圧の谷であるモンスーントラフが平年より弱くなり、この付近の対流活動が不活発となったことが要因の一つと考えられます。」としています。

日本に接近・上陸した台風とその影響

日本への台風接近数は平年より少ない 9 個(平年値 11.7 個)でした。
日本への台風の上陸は台風第 7 号の 1 個(平年値 3.0 個)でした。

台風第2 号
沖縄地方及び九州南部・奄美地方に接近し、本州の南海上を東に進みました。本州付近に停滞した梅雨前線に向かって台風周辺の非常に暖かく湿った空気が流れ込んだため、西日本から東日本の太平洋側を中心に大雨となりました。

台風6 号
沖縄地方、九州南部・奄美地方及び九州北部地方に接近しました。台風は複雑な進路となり、長い期間影響を受けた沖縄地方や奄美地方、台風接近前から雨が降り続いた九州南部や四国地方を中心に大雨となりました。

台風 7 号
和歌山県に上陸しました。台風の通過や台風周辺の暖かく湿った空気の影響で、近畿地方や中国地方を中心に記録的な大雨となり、鳥取県では大雨特別警報を発表しました。

台風 13 号
沖縄地方、四国地方、近畿地方及び東日本に接近しました。南から暖かく湿った空気が台風の東側に流入し台風の中心から離れた場所で雨雲が発達したため、関東地方や東北太平洋側で大雨となりました。

台風予報の精度は向上

台風進路予報の年平均誤差(平均誤差)は、1 日先で 61 ㎞、3 日先で 164 ㎞、5 日先で 356km となり、1 日先から 3 日先までの予報精度は、これまでで最も高い結果となりました。台風進路予報の精度はその年の台風の特徴に起因する年々の変動がありますが、長期的にみれば向上しています。

台風強度予報(最大風速)の年平均誤差(二乗平均平方根誤差 )は、1 日先で 5.1m/s、3 日先で 7.9m/s、5 日先で 10.5m/s となりました。台風強度予報の精度はその年の台風の特徴に起因する年々の変動があります。

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