円安で日本人の海外旅行意欲が減退

香港を訪れる日本人観光客の数は以前ほど多くはなくなった。12月21日の香港メディアによると、日本人観光客の受け入れを専門とする東洋旅行社の兪育永・副総経理は『星島日報』に対し、現在の状況は業界歴40年の中で「最悪の状況」であることを認めた。「本来12月は書き入れ時で、1カ月に香港を訪れる日本人観光客は少なくとも8000人だった。今ではわずか600人から700人、ひどいときは1日数人にまで減った」とため息をついた。円安により日本人がロレックスやその他のブランド品を購入するために香港に来る費用が大幅に上昇したことに加え、香港のホテルや食品の値上がりが続いたこともあり、香港の魅力は大幅に低下した。同氏は「今月のホテルの宿泊料金は年初に比べて40~50%高く、コストパフォーマンスは当然低下している」と述べ、さらに、ジャンボレストラン、書道や絵画の店、刺繍の店などはすべて歴史の中に消え去り、飲茶店での獅子舞やその他のパフォーマンスも今はなくなり、 地政学的な要因も日本人を香港から遠ざけていると指摘した。

しかし観光業界関係者の中には、日本人の海外旅行習慣の変化は、すべてが香港の政治環境によるものではないと分析する人もいる。EGLの常務取締役は、海外旅行費用の高騰により日本人の海外旅行全体の数は2019年に比べて半減し、「国内旅行」する人が増えていると指摘した。香港インバウンドツアーオペレーター協会の創設会長は、タイや韓国などから香港を訪れる観光客の数は増加しており、日本だけが減少していると指摘。日本経済が回復していないため、国民の海外旅行意欲に影響を与えているとみている。

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