つるぎこども園「神木」の机で親睦を 金劔宮の伐採スギ使用

金劔宮の木で作った机の手触りを確かめる園児=白山市のつるぎこども園

 白山市鶴来本町3丁目のつるぎこども園に、鶴来地域の木材関係業者3社が金劔宮の社叢(しゃそう)から伐採したスギで製作した机と椅子を寄贈した。同園で22日に開かれた「クリスマスのつどい」で贈呈式が行われ、園児は「いい匂いがする」と歓声を上げた。関係者は、園児がふるさとの産業や伝統を学ぶきっかけになればと期待している。

 同園には0~5歳の113人が通っており、園児の体格に合わせ、サイズが異なる机2台、椅子12脚を贈った。

 材料は、倒木の恐れがあるとして昨年10月に切ったスギ材で、林業のなかの林業(鶴来大国町)が伐採、製材業の角永商店(鶴来新町)が板などに加工、工務店の建築昌英(鶴来上東町)が製作した。

 なかの林業社長の中野篤さん(51)によると、切ったスギは樹齢100年ほどとみられ、「立派な木を地域のために活用したかった」と話した。

 クリスマス会では、中野さんがサンタクロースに扮(ふん)し、角永商店社長の角永善隆さん(50)、建築昌英社長の松村昌英さん(43)とともに机と椅子を披露した。園児たちは手触りを確かめ、「すべすべして気持ちがいい」などと歓声を上げた。

 角永さんは「子どもたちが鶴来の木を知るきっかけになればいい」と語った。松村さんは「思い出の1ページとして園児の記憶に残ってくれたらうれしい」と笑顔を見せた

 つるぎこども園では、机と椅子を絵本コーナーがある玄関ロビーに設置し、園児が本を読んだり、親子で読み聞かせをしたりする親睦の場として活用する。

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