スマホGPSで津波避難行動を分析 釜石市とソフトバンク子会社

釜石市中心部の津波浸水想定(ピンクの塗りつぶし範囲)に、スマホの位置情報を重ねたイメージ。赤い点は静止した人、矢印は動いている人の方向や速度を表す(Agoop提供)

 岩手県釜石市は災害時の迅速な避難に役立てるため、スマートフォンの位置情報を活用した実証実験に乗り出す。ソフトバンク子会社Agoop(アグープ、東京都、柴山和久社長)と協力し、来年3月に市全域で行う避難訓練の参加者の行動を分析。津波到達前に避難できているか、浸水域を通っていないか確認するほか、避難場所の人数をリアルタイムで計測し、必要な物資を早期に供給できる態勢を整える。

 位置情報はスマホの衛星利用測位システム(GPS)を活用する。同社が開発した歩数計測アプリをダウンロードすれば、ドコモやau、ソフトバンク、楽天など通信事業者を問わず使えるのが特長だ。

 実証実験ではそれぞれの避難速度や経路、避難場所の利用状況などが分かる。市は徒歩避難を原則としており、分析結果を防災に役立てる。全国では北海道根室市が2022年11月に防災訓練にこの技術を利用している。

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