パワハラ受け「やめたい」と打ち明けた20代男性が自殺 第11管区海保 上司3人、停職2カ月・減給5分の1を2カ月・説諭の処分

 第11管区海上保安本部は22日、3人の上司によるパワーハラスメントなどが理由で、宮古島海上保安部に所属していた2等海上保安士の20代男性が自殺した事案があったと明らかにした。3人による複数のパワハラ行為を認定。そのうち40代男性職員の1人を同日付で停職2カ月、もう1人を減給5分の1(2カ月)の懲戒処分にした。もう1人は説諭処分で、公表されていない。

 11管区によると20代男性は2021年3月、海上保安学校を卒業して宮古海保に配属された後、同年6月に巡視船内で自殺した。家族や同期には「やめたい」と打ち明けていたという。

 11管区はパワハラを受けた疑いがあるとして調査を進め、上司3人のパワハラ行為を認めた。今年3月、パワハラが自殺の一因として公務災害に認定された。

 停職2カ月の職員は作業中の男性を怒鳴って頭をたたいたり、船内で集団飲酒した際に汚れた男性の私服と財布を海に投げ捨てるなど三つのパワハラ行為をした。減給処分の職員は、男性に対して遺書を書くよう指示する趣旨の発言をしたなど、二つのパワハラ行為をした。

 パワハラ行為を見た船長が全船員に注意喚起したが、本人や船員からその後の訴えはなかったという。

 島谷邦博本部長は「パワハラ行為などで悩み、自殺に至ったことは痛恨の極み。二度と悲劇を繰り返さないようハラスメント防止と服務規律の徹底を図る」とのコメントを発表。11管区は、パワハラ行為の認識向上を目的とした研修を増やした他、「全職員の悩みを早期に気付けるよう、面談に力を入れている」と説明している。

(資料写真)宮古島海上保安部の入る庁舎=宮古島市平良(宮古海保ホームページから)

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