中東危機「イランが要因」 元米高官ボルトン氏、圧力徹底を

20日、共同通信のオンライン取材に応じるジョン・ボルトン氏(共同)

 【ワシントン共同】トランプ前米政権で国家安全保障問題担当の大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン氏(75)は23日までに共同通信のオンライン取材に応じ、パレスチナ自治区ガザをはじめとする中東情勢が悪化している要因は、イスラエルと敵対する「イランだ」と名指しした。「バイデン政権は戦略的に取り組んでいない」と述べ、対イラン圧力の徹底を求めた。

 対イラン制裁強化を主導し、2018年の米国によるイラン核合意離脱に関与したボルトン氏は「イランによるテロの脅威」が中東各地で緊張を生んでいると指摘。核合意再建を模索するバイデン政権の政策は「米国や同盟国の利益に合わない」と語った。

 イスラム組織ハマスや武装組織フーシ派を支え、イスラエルの周辺地域での軍事的な影響力を強めるイランの政策は「炎の輪戦略」とも呼ばれる。ボルトン氏はこの戦略や、イラクやシリアで親イラン武装勢力による米軍への攻撃が多発している現状を憂慮。「バイデン政権は対イラン直接攻撃に踏み切っていない」とし、強硬策が求められるとの考えを示した。

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