大型マグロ一挙4本 三沢漁港に水揚げ

トラックの荷台に運ばれたクロマグロ4本。吉報にハマも活気づいた=23日午前11時半ごろ、三沢漁港

 三沢漁港に23日朝、重さ200キロ前後のクロマグロが4本水揚げされた。青森県三沢沖で取れた大型マグロの複数の水揚げは今年1月の初売り以来。水揚げの低迷や燃料高に苦しむハマはいつになく活気づき、関係者は「状況が上向くきっかけになれば」と願っていた。

 水揚げをしたのは協栄漁業(馬場騎一組合長)と北栄漁業(一戸辰夫組合長)の両生産組合に所属する船で、三沢沖約3キロの定置網にかかった。体長は約2メートルで、1本の重さは180~205キロ。水産加工会社「マルゲン水産」(八戸市)が4本全てを1キロ平均4200円、総額350万円超で競り落とした。

 市漁協によると近年、年末年始の寒い時期にクロマグロが取れる傾向が続いている。同社会長の源波重信さん(84)は「ここのマグロは取引先の間でも評判がいい。腹回りからしっぽまで丸々と太っている。理想的なずんぐりむっくり体形」と絶賛。24日に東京の市場に出荷するという。

 漁港では今年、主力のスルメイカが振るわず、漁獲量・金額とも市漁協に記録の残る1996年度以降、最も少なかった。燃料費や資材高騰が経営を圧迫し、廃業を考える漁業者も少なくない。熊野稔・市漁協組合長(77)は「一年の終わりにやっと吉報が届いた。これが先につながっていけば」と祈るように話した。

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