イチゴ狩り、早くも開始 耕作放棄地を活用、兵庫・小野の「好旬ファームパーク」 高設栽培、楽な姿勢で摘み取り

赤く実ったイチゴと、ひまわり好旬ファームのスタッフ=小野市久保木町

 兵庫県小野市久保木町の収穫体験公園「好旬(こうしゅん)ファームパーク」で、早くも今季のイチゴ狩りが始まった。田植えや稲刈り、トウモロコシの収穫や芋掘りなど、年間を通じてさまざまな収穫体験を楽しめる。耕作放棄地を活用した開園から2年目。地元で生まれ育った関連グループの運送会社社長、室谷武彦さん(52)は「地元のためにも地産地消に役立ちたい」と力を込める。(坂本 勝)

 子ども連れらに人気の「ひまわりの丘公園」(同市浄谷町)から北へ徒歩約8分。約2700平方メートルの敷地に、ビニールハウス7棟や育苗棟が並ぶ。

 作物は有機肥料、減農薬で育てる。ハウス内で赤く色づいたイチゴは高設栽培され、腰をかがめず、立ったまま楽に摘み取ることができる。「新鮮な野菜や果物を収穫する喜びを感じてもらいたい」と話す室谷さん。記念撮影用に顔出しパネルも作り、家族で収穫体験を満喫できる。

 周辺は田畑が広がるのどかな地域。ただ兼業農家が多く、室谷さんの家も耕作したのは祖父母の代までという。運送業から事業を広げていくうち、古里には手付かずの畑が増えた。

 「先人が苦労して開拓した田畑をおろそかにできない。地元で生活していく限り、生かさないと」

 室谷さんはそう考えて同パークを運営する「ひまわり好旬ファーム」の経営に乗り出した。「好旬」は46歳で急死した弟の名前から取ったという。

 イチゴは同市の農産物特産品「小野うまいもんブランド」にも認証された。「かおり野」「章姫」「紅ほっぺ」「よつぼし」を順次収穫できる。旬の野菜や果物をJAの直売所「サンパティオおの」に置き、県内にも急速に店舗を出す食品スーパー「ロピア」にも届ける。

 イチゴ狩りは45分間食べ放題(ソフトドリンクと菓子をサービス)。休日や年末年始は中学生以上3300円(平日の営業日は2750円)。ホームページや電話での完全予約制(直前予約も可)。持ち帰り用の販売もある。同パークTEL0794.63.1115

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