秋の新作ドライバー「マトリックス図」で比較 国産ブランドの逆襲が始まった

2023年秋の5社9モデルのドライバーヘッド性能をマッピング

今秋はブリヂストン「B」やヤマハ「RMX」、ダンロップ「ゼクシオ」など、国産ブランドの人気シリーズから話題作が数多く発売された。食いつきを求めた新フェースから、飛びの三要素を極めた新テクノロジーまで、5社9本の注目ヘッドを調査。動画コンテンツ「ミタナラバコウタロウ」などで活躍するレッスンスクール「ゴルフテック」三田貴史コーチが自作したマトリックス図とともに解説する。

全体的にやんわり傾向 例外はヤマハ「RMX」

縦軸はスピン量、横軸はつかまり具合で構成してもらった図を見ると、ヤマハ「RMX VD/R ドライバー」を残して、ほか全てがスピンの多いゾーン(上半分)に集中した。比較的にボールを上げやすく、弾道は高めの傾向ということが分かる。

2023年秋ドライバーはスピン量が多めでやさしいモデルが出そろった

その印象について、三田コーチは「大半のモデルは例年通りのいわゆるマイナーチェンジで、つかまりが良く高さも確保しやすい“やさしい国産”が並んだ印象です。その中で唯一突出して大きな変化を遂げているのが、ヤマハの『RMX』シリーズ」と、1社の名を挙げた。

「『RMX』シリーズは、『VD/R』『[VD/M](https://lesson.golfdigest.co.jp/gear/catalogue/driver/gca000016035001.html )』『VD/X』と3機種それぞれに明確な性能を打ち出した構成を展開してきました。過去のブランドカラーをガラッと変え、海外ブランドに匹敵する高初速性能を重視したコンセプトに振り切った印象。3機種の真ん中の立ち位置といえる『VD/M』でさえ重心はやや浅く、低スピンを意識した性能に舵を切っています」。図を見ても分かる通り、3モデルが均等に間を開けて配置されている。

「ゼクシオ」シリーズの微小な変化にも注目

図の左上に目を向けると、やさしいドライバーの代表格ダンロップ「ゼクシオ 13 ドライバー」が左端に陣をとる。つかまりの良さNo.1の座は予想通りといえるが、三田コーチは位置だけではなく、微小な変化を見てほしいと口にする。

「確かにつかまりが良く、高さも出しやすいので、定位置(図でいうと左上)であることに違和感はないのですが、キャロウェイ『BIG BERTHA ドライバー』、ブリヂストン『B2HT ドライバー』と比べ、それほど差が開いていないところに注目してほしいです」

歴代モデルは、大型でとにかくつかまりの良さが特徴だったが、今作は見た目のスッキリ感や、つかまりすぎない性能が微小な変化を生んでいると指摘。「前作までのキーン!と甲高い金属音が抑えられ、少しアスリートモデルに近い“イマドキ”の打音に変わった点も、同シリーズとしては大きな変化といえます」と、フィーリング面での変化に言及した。

では、兄弟モデル「ゼクシオ エックス ドライバー」にも変化は起きているのか? 「3代目『―エックス』も、適度なつかまりやすさとニュートラル感は前作以上で、非常に直進性が高まっています」。同社は『BiFLEX FACE』と呼ぶ新テクノロジーを搭載したことで、スイートエリアの拡大を図ったようだが、その効果を三田コーチも実感した模様。「たしかに初速性能がアップしています。クセもなく、どんなゴルファーもその飛び性能が体感できる。ターゲット層をより広げてきている感じがします」。やさしく程よいつかまりは、バランスの取れた性能だけに、図ではやや上真ん中に配置した。

もはや初速は“外ブラ”同等!? 国産ブランドの現在地は

各性能をより分かりやすく海外ブランドと照らし合わせるため、今年発売のテーラーメイド「ステルス2 ドライバー」と「パラダイム ドライバー」も図に入れてもらった。「ステルス2」は、ブリヂストン「B1ST ドライバー」の少し右斜め上、さらに右横に「パラダイム」という位置づけ。比較するとスピン量は国産ブランドとほぼ同等、むしろ多いモデルも多いが、つかまりの面ではやはり明確に分かれた関係性といえる。

参考として「ステルス2」と「パラダイム」を配置して比較

「(図では表現できませんが)初速スピードは、全モデルかなり拮抗しています。国産も海外ブランドもかなり速い領域に達していて、どちらが速い遅いと言い切れない状況。『ステルス2』『パラダイム』」の対極に位置する『B2HT』『VD/X』もやさしいうえに初速も出せて飛ばせる。性能面での差というよりは、顔の好み、ミスに対する特性、より尖ったものかニュートラルかといった観点で選ぶべきだと思います」

3機種どれから試すべき!? 最適モデルを見つけるには

今回の9モデルのうち、同シリーズの構成はヤマハ『RMX』もブリヂストン『B』も3機種構成(図に入れていない「B-Limited B1LS」を含めると)。いまや3モデルでの展開が主流となっている。「選び方に迷った場合、まずは真ん中のスタンダードモデルを試してほしい」と三田コーチ。

「まずはスタンダードモデルを試打して、弾道測定器で打ち出し角とバックスピン量を計測してください。どちらも多すぎてしまうようなら、より低スピンに振ったモデルに移行。逆に少なすぎれば、より高弾道が得られるモデルに。あとはカチャカチャ機能や可変ウエートで微調整できるので、購入後でもアジャストさせることは可能です」と、その手順を指南してくれた。ヘッドスピードやスイングタイプで決めつけず、弾道をしっかり計測して数字を見て判断してほしいとのこと。今回のマトリックス図はあくまでもニュートラル状態の配置のため、大まかに目星をつける際の参考として捉えていただきたい。

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン