奄美群島、日本復帰から70年 残る格差、自立模索

鹿児島県奄美市の「おがみ山」に立つ「復帰記念碑」。戦後8年間、米国統治下に置かれた奄美群島は日本復帰を果たし70年となる=24日午前

 鹿児島県・奄美群島は25日、1953年の日本復帰から70年を迎える。戦後8年間の米軍統治で経済再建が遅れた島々には多額の事業費が投じられ、インフラ整備などハード面は改善。一方、2020年度の群島民1人当たりの所得は全国の約7割にとどまり、本土との格差は依然残る。豊かな自然や文化を生かした自立的発展の道を模索する。

 70年前、島民は断食や嘆願署名など非暴力の運動で祖国復帰を勝ち取った。運動の先頭に立ったのが詩人の故泉芳朗だ。

 泉氏をしのぶ会代表の楠田哲久さん(76)は24日、奄美市で講演し「群島民が一丸となって運動に参加し、日本復帰を後押しした」と語った。

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