「ESD」動画100選に/板柳、佐藤さん制作

佐藤さんが制作した動画の一場面

 「ESD」(持続可能な開発のための教育)の取り組みを紹介する動画を募り、ホームページ上で公開する環境省の「ESD実践動画100選」に、青森県板柳町のバーテンダー佐藤聖也さん(44)が制作した動画が青森県から唯一選ばれた。町内で取り組んできたごみ拾いの活動を通して、環境問題を考える活動を紹介する内容。佐藤さんは「動画をきっかけに、SDGs(持続可能な開発目標)やESDの取り組みが広がればうれしい」と話している。

 佐藤さんは2021年から毎年、町内の子どもたちと一緒に岩木川河川敷でごみを拾い、そのごみでオブジェなどを作るイベント「ゴミから学ぶSDGs」を開いている。今年は拾ったペットボトルで「SDGsねぶた」を作り、同町の夏祭り「りんご灯まつり」で運行した。動画は、これまで行ってきたごみ拾いやオブジェ作り、祭りの運行の様子などを2分半ほどにまとめ、「体感しながら学び、振り返ることで(環境や地域に関する)気づきを得て、地域の活性化につなげたい」とのメッセージを込めた。

 実践動画100選は、ESDの普及などを目的に今年初めて実施。環境省によると全国から88点の応募があり、81点が100選に選ばれた。青森県からの応募は佐藤さんだけだった。

 佐藤さんは「全国のいろいろな取り組みが動画で見られ、自分自身も視野が広がった。来年以降も『ゴミから学ぶSDGs』を続けていきたい」と意欲を新たにしている。

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ESD(持続可能な開発のための教育) Education for Sustainable Developmentの略。環境や貧困、人権など世界の諸問題を自らの課題として捉え、持続可能な社会づくりのため主体的に行動する力をつける教育

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