悪気のない行動が招いた!? 義母が猛省した「嫁姑トラブル」集

いつの世にも存在する「嫁姑問題」。

しかし、最近の嫁姑問題は、いわゆる嫁いびりなどが原因ではなく、核家族が一般化したことで嫁姑間にできる微妙な距離感や考え方のズレによるものが多いようです。

今回は、姑側の女性、嫁側の女性それぞれにインタビューして、「姑としては悪気がなかったけれど嫁を嫌がらせてしまったこと」「嫁との関係が微妙になってしまった姑の行動」について紹介します。

「良かれと思って」がまさかの事態に!

1: 出産の前後に…

夫婦関係に関する話で「産後の恨みは一生」というものを耳にしませんか?

これは、夫側が産後の妻を気遣えず、これまでの夫婦二人の生活と変わらない行動をしてしまったり、新生児にかかりきりの妻に辛く当たったりしてしまったりしたことに対する妻側の遺恨が、長年に渡って消えないというものです。

そんなセンシティブな時期、義母も“やらかし”をしてしまうことが多いそう。

「次男の奥さんのご両親が遠方で里帰り出産もしませんでした。次男宅は我が家と車で20分ほどの距離にあるので、頻繁に産後のお手伝いに行っていたのですが、今考えればむしろ疲れさせてしまったと思います。

私自身が各家族での子育てに苦労していたので、良かれと思ってあれこれ世話を焼いていたのですが、孫の生後3ヶ月くらいからそれとなく避けられてしまいました」(専業主婦/64歳)

この女性はその後、しばらく次男一家との面会を極力控えることで、徐々にギクシャクした雰囲気が消えていったそう。

いくら普段の関係性ができていたとしても、やはり嫁姑は他人。出産前後の過敏になっている時期に関わりが多くなってしまうと心身が疲弊する原因になりかねません。

「産後の恨みは一生」を嫁姑間で発生させないために、姑側は相手の反応を見て過剰な干渉は避ける、嫁側は少し落ち着いたタイミングで相手の好意に気づける考えを持っていく、という双方の歩み寄りが大切ですね。

2: 資金の援助をしたら

実子の立場からすればありがたい、両親からの資金援助。マイホーム購入や子どもの進学などのタイミングで両親から資金を援助してもらったことがある、という人もいるのではないでしょうか。

しかし、これが「義両親からの援助」となると少し捉え方が変わってくることもあるそう。ある女性は嫁側の立場から、こう語っています。

「私の両親は『別家庭になったのであれば自分たちのことは自分で』というタイプ。子どもの節句のお祝いなどはくれるのですが、いわゆる資金援助はしません。

夫の両親、特に姑がわりと援助をしたがる人で、私にも良くしてくれるし悪気がないのはわかっているのですが、なんだか実家との経済格差を見せられているようで微妙な気分になります。

また、資金援助をしたことや嫁姑関係が良好なことを理由に、今後同居や介護の話が出てくるのでは? と少し警戒してしまいます」(メーカー勤務/33歳)

実子ではない嫁側から見ると、義両親からの資金援助は「なんらかの見返りを期待しているのでは?」と推測してしまう部分があるようです。

義両親・姑側が資金援助をする場合は、他意がないことをしっかりと示し、嫁側は義両親からの資金援助の意味合いなどをしっかり夫に確認しておくことで、誤解を防ぐことができますね。

3: 帰省などを強要しない

現在はコロナ禍を経たこともあって、昔ほど「お盆や正月に必ず帰省」「夫側の実家に優先的に帰省する」という習慣を実行している家庭は多くないように感じますね。

姑側でも、「自分たちの時代とは違うから」と息子夫婦に帰省を強要しないという人は多くなっているようです。しかし、こんな気遣いが嫁側を不安にさせてしまうことも。

「私が夫の実家への帰省が億劫で仕方がなかったタイプだったので、息子のお嫁さんには『無理しなくていい』と常に伝えていました。

別に息子やお嫁さん、孫に会いたくないわけではないのですが、嫁という立場の気持ちがわかるのであまり窮屈な思いをさせたくなかったので。うちはまだ未婚の娘も家にいますし。

しかし、私も息子も少し言葉が足りないタイプのせいかお嫁さんのほうが『お義母さんに好かれていないかもしれない』と悩んでしまったようです。

向こうが無理しない程度に、こちらも『会いたい』ということを伝えるのがいいのでしょうね。とても距離感が難しいです(笑)」(パート勤務/59歳)

あまり距離が近すぎても面倒になるし、距離を取りすぎると相手からの思われ方が気になる。元来他人でありつつも、家族のくくりになる嫁姑はお互いにこのように感じてしまうことが多い関係性です。

自分が嫁の立場で苦労した人ほど、息子の妻に対して「義実家寄りにならなくてもいい」と気遣いを見せるものですが、過剰だと相手を不安にさせてしまうこともあるのですね。

気遣いを繰り返し口にするよりも、嫁側が義実家との関係性を負担に感じていそうなタイミングで適宜伝えてあげるのがいいのかもしれません。

4: 孫の記念日祝いで…

「長男夫婦と敷地内別居しています。孫の100日祝いを私の家のほうでやろうということになったので、娘家族なども呼んで盛大にやったのですが……。

長男のお嫁さんに後から『自分たちでやりたかった』と嫌な顔をされてしまいました。

出産してまだ3ヶ月と疲労している時期だったので、良かれと思ってこちらで色々と進めたり、勝手に娘夫婦や親戚を呼んだりしたことが嫌だったようです。

お嫁さんが比較的ハッキリとした性格なので直接伝えられましたが、そうでなかったらずっと陰で言われるようなことをしてしまったのかもしれないと反省しました」(信用金庫勤務/59歳)

姑側が気をつけたいことが、世にいう“孫フィーバー”。

これに、「お嫁さんは今大変だから」「手伝ってあげたい」という気持ちが合わさることで、本来は息子の家庭で進めるべきイベントの計画を奪ってしまう人がいます。

手伝うことが問題なのではなく、自分の感覚で嫁側の意向を聞き取ることなく進めてしまうのがトラブルの種になるのです。

嫁側も「ちょっとお義母さんがはっちゃけそうだな」と感じた場合は、事前にそれとなく「こうしたい」というイベントごとに関する要望を口にしたり、場合によってはそれとなくストップをかけるような発言をしてみましょう。

各家族で暮らすことが一般的になり、昔ほど夫婦と夫実家の距離感が密接ではなくなった昨今、姑側が嫁側に気を使って過ごしていることも多いですね。

姑側は“嫁経験者”でもあるがゆえ、「嫁ならばこうして欲しいだろう」「私はこうして欲しかった」と先々と気を回して行動できますが、その行動に嫁側が戸惑ってしまうこともあります。

お互いに気を使ったり、遠慮をしたりという心がけも大切ですが、まずは「自分はこうしたいと思う、あなたはどうか?」「私はこういうふうにして欲しい」と、しっかりと言葉で伝えて認識をすり合わせていくことをしてみましょう。

お互いを気遣う気持ちがあるのであれば、正直な考えを伝え合ってもうまくいくはずです。

(ハピママ*/ 高橋 マミ)

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