杉咲花 虐待を受けた痛々しい姿 少年を守る決意に満ちた表情も 「52ヘルツのクジラたち」予告

2024年3月1日より劇場公開される、2021年の本屋大賞を受賞した町田そのこのベストセラー小説「52ヘルツのクジラたち」の、本予告が公開された。

本予告は、海中で鳴くクジラの声から始まる。「これは、クジラの声?」と尋ねる三島貴瑚(杉咲花)の問いに、「この〈52ヘルツのクジラ〉の鳴き声は、他のクジラたちには聴こえない。世界で一番孤独なクジラって言われてるんだ」と安吾が答える。

続いて、虐待を受けながらもヤングケアラーとして家族を支える貴瑚の過酷な日常と、虐待の跡が体にある「ムシ」と呼ばれる少年の悲しみがオーバーラップで描かれていく。痛々しい傷を抱え、ふらふらと道路へ歩き出す貴瑚を、間一髪救い出したのは安吾だった。「何で死のうとしたの?」と問う安吾に、「お母さんが、お父さんじゃなくて私が死ねって、お前が死ねって、だから私死のうと・・・」と尋常でない様子で応える貴瑚を、貴瑚の高校時代からの親友である牧岡美晴が抱きとめる。安吾は優しい笑顔で「三島さん、新しい人生を生きてみようよ」と語り掛け、貴瑚は「生きたい・・!」と泣き出す。

転調して流れ出すSaucy Dogによる主題歌「この長い旅の中で」に乗せ、貴瑚の母に対し「もう貴瑚さんを自由にしてあげてください」と、柔らかい言葉だがキッパリと決別を告げる安吾。「人はきっと生まれ変われる。切ない痛みの先で人はもっと優しくなれる。」のナレーションの間には、貴瑚を優しく抱きしめる宮沢氷魚演じる上司の新名主税の姿と、涙を零す安吾の横顔が映し出され、安吾は切ない表情で貴瑚に「僕は、キナコの幸せを祈ってる」と告げる。そして、「私、覚悟を決めたんだよ。聞かせてよ。あんたの声を。私が守るから」と、貴瑚は少年を守る決意に満ちた顔を見せる。

「52ヘルツのクジラたち」は、2021年の本屋大賞を受賞し、80万部を売り上げている同名ベストセラー小説。「52ヘルツのクジラ」とは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラのことで、たくさんの仲間がいるはずなのに何も届けられないため、世界で一番孤独だと言われている。愛を欲し、誰にも届かない声で泣く孤独な魂たちの出会いが生む愛の物語が展開される。杉咲花が自分の人生を家族に搾取されてきた女性の三島貴瑚を演じ、志尊淳らが共演。「八日目の蝉」「銀河鉄道の父」の成島出がメガホンを取る。

【作品情報】
52ヘルツのクジラたち
原作:町田そのこ「52ヘルツのクジラたち」(中央公論新社)/主演:杉咲花/監督:成島出
2024年3月1日(金)、TOHOシネマズ 日比谷他全国公開
製作幹事・配給:ギャガ
©2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会

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