「一歩間違えれば重大な事故に」 嘉手納町議会が抗議 米軍のパラシュート訓練と戦闘機パネル落下に

 沖縄県嘉手納町議会(仲村渠兼栄議長)は25日、臨時会を開き、米軍による嘉手納基地でのパラシュート降下訓練と、同基地暫定配備のF35Aステルス戦闘機のパネル落下について、日米関係機関に抗議する決議と意見書をそれぞれ全会一致で可決した。嘉手納基地での同訓練の全面禁止と、2007年に日米合同委員会が例外的に嘉手納基地を使用できるとした合意の撤廃などを求めた。

 米軍は、19日夜に県や基地周辺自治体が中止を求める中、嘉手納基地でパラシュート降下訓練を実施。意見書と決議では、住宅地と基地が極めて隣接しており、「一歩間違えれば重大な事故につながりかねず、断じて容認できない」と批判した。

 パネル落下事故については、事故原因が究明され、有効な再発防止策が講じられるまで、同型機の飛行訓練停止を求めた。

 同日、仲村渠議長らが沖縄防衛局を訪ね、伊藤晋哉局長に意見書と決議を手渡した。伊藤局長は、降下訓練について、敷地外への降下など被害は確認されておらず「安全に行われた」との認識を示した。「例外的措置」については「撤回する必要があるとは考えていない」と答えた。安保条約の目的達成のため、米軍が訓練を通して即応体制を維持する必要性があるとの理由を説明した。

F35Aステルス戦闘機のパネル落下に抗議する意見書を全会一致で可決する嘉手納町議会=25日午前10時20分、沖縄県嘉手納町
沖縄防衛局の伊藤晋哉局長(左)に意見書を手渡す嘉手納町議会の仲村渠兼栄議長(右)=25日午前11時半、沖縄県嘉手納町・同局

© 株式会社沖縄タイムス社