水野涼、今季限りでのホンダ離脱をSNSで報告。2024年はドゥカティで全日本ロード選手権に参戦

 12月23日、レーシングライダーの水野涼は自身のSNSで11年間過ごしたホンダを離れることを報告した。その前日には新体制となるDUCATI TEAM KAGAYAMAから全日本ロードレース選手権のJSB1000クラスに参戦することが発表された。

 水野は2013年から全日本ロードJ-GP3クラスに参戦を開始し、2015年に5レース中3勝をマークしてJ-GP3チャンピオンに輝いた。また、MotoGP第15戦日本GPでMoto3クラスにワイルドカード参戦も経験した。

 2016年からはJ-GP2クラスにステップアップして、2年目の2017年に7戦中5勝を挙げチャンピオンとなり、MotoGP第15戦日本GPのMoto2クラスにワイルドカード参戦を果たした。

 そして2018年から最高峰クラスのJSB1000クラスに昇格して初年度はランキング11位、2019年と2020年は4位となったが、並行してホンダワークスのテストライダーも担当し、ファクトリー仕様のCBR1000RR-RやMotoGPマシンのRC213Vのテストをする立場でもあった。

 そんな彼は2021年からブリティッシュスーパーバイク選手権(BSB)に参戦。2年間をイギリスで過ごしてから、2023年に全日本ロードに戻りJSB1000を戦った。スーパーバイク世界選手権(WorldSBK)では代役ライダーに抜擢されたり、全日本ロード最終戦では2連勝を達成して、2024年はヤマハとホンダの熱い戦いが期待されるが、水野はホンダを離脱することを決めた。

 2024年はDUCATI TEAM KAGAYAMAからドゥカティ パニガーレV4 Rを駆りJSB1000クラスを戦うことになるが、彼のSNSにあるように「僕の目的である”もう一度レースで勝ちたい”そして”世界一になりたい”という思いを成し遂げるため」の決断のようだ。

 チーム体制の詳細は2024年2月に明かされるが、マシンはファクトリースペックであることが明らかとなっている。WorldSBKでは連覇を果たしているマシンであるため、全日本ロードでヤマハ勢にどこまで迫れるか、水野にとっては別メーカーで勝利を手にできるのか楽しみなところだ。

 水野がSNSに投稿した文章は以下の通り。

2017年J-GP2チャンピオンに輝いた水野涼

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今シーズンをもってHondaを離れます。

ここまでのキャリア全てのレースをHondaと共に戦ってきました。僕を信じ幾度となく力を証明する機会を与えてくれたHondaとHRCに感謝しています。

この11年間の間、2度の全日本タイトル獲得から世界選手権、イギリス選手権への参戦など数多くの経験を積み、ライダーとして人として学び成長してきました。このような経験を”ホンダファミリー”の一員として長い間歩んでこれたことをとても誇りに思います。

ですが、僕の目的である”もう一度レースで勝ちたい”そして”世界一になりたい”という思いを成し遂げるために、今は別の道を進むことを決めました。

この先の未来はどうなるか分かりませんが、Hondaと共に培ってきた経験を存分に活かし、成長した姿で恩返ししていけるように新たなフィールドで戦っていきます。また新たな章の始まりです。

これまで僕に関わってくれた全ての方に感謝とお礼を申し上げます。ありがとうございました。

ありがとうHonda!

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