首相訪米、3月上旬で調整 国賓待遇、15年安倍氏以来

岸田文雄首相、バイデン米大統領(ゲッティ=共同)

 日米両政府が岸田文雄首相の国賓待遇による米国訪問について、2024年3月上旬の日程で調整を進めていることが分かった。複数の日米関係者が25日、明らかにした。日本の国会審議や政治情勢、米国の大統領選や議会の日程などを見極めながら最終判断する。国賓待遇での首相訪米が実現すれば、オバマ政権下だった15年の安倍晋三氏以来。

 首相はバイデン大統領と会談し、日米同盟を一層深化させる意向を伝え、経済安全保障、宇宙・サイバーなどの分野で揺るぎない結束を示したい考え。数日間滞在し、米議会などでの演説や、首都ワシントン以外への訪問も検討するとみられる。

 自民党安倍派の政治資金パーティーを巡る事件で岸田政権が厳しい立場にさらされる中、首相周辺には国賓待遇の訪米を適切なタイミングで実現させ、内閣支持の回復につなげたいとの期待もある。

 岸田首相の国賓待遇訪米は、23年11月の日米首脳会談でバイデン氏が伝えたとされる。24年11月の米大統領選が近づけばバイデン氏の日程確保が難しく、両政府は早い時期で調整をしている。

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