人手不足影響か 70歳まで働ける企業、青森県は全国4番目38%

 青森労働局は25日、青森県内企業の6月1日現在の高年齢者雇用状況を公表した。定年制廃止や継続雇用など希望者が70歳まで働くことができる制度を導入している企業は38.2%(前年比3.1ポイント上昇)で、全国平均の29.7%を上回り、全国で4番目に高かった。人口減少や少子高齢化を背景に、県内中小企業の人手不足が深刻化していることが影響しているとみられる。

 最も高いのは島根の42.4%。次いで大分42.0%、岩手39.5%、青森県と続いた。高年齢者雇用安定法により、70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務とされている。

 青森県の状況は従業員21人以上の企業2602社の報告をまとめた。うち995社が就業確保措置を実施済み。種類別では▽定年制廃止(160社)6.1%▽定年の引き上げ(71社)2.7%▽再雇用や勤務延長といった継続雇用制度の導入(764社)29.4%-だった。

 同労働局職業対策課によると青森県は、定年制を廃止する企業が全国(3.9%)に比べて多い。160社はいずれも中小企業で、うち半数超が従業員30人以下の規模だった。同課の担当者は「働く人の立場では年齢の上限がない方が安心して働くことができ、応募につながりやすい」と話す。

 また、一定の基準を設けて継続雇用を行う企業も含めた、70歳以上まで働ける制度のある企業は1283社だった。全体の49.3%に上り、全国で5番目に高かった。企業に義務付けられている65歳までの雇用確保措置の実施率は100%だった。

 県内の高年齢労働者は年々増加。従業員31人以上の規模の企業で働く60歳以上の人は3万9469人と、10年間で1.8倍に増えた。21人以上規模では4万3902人だった。

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