【シンガポール】住友生命、シングライフを子会社化[金融]

住友生命保険は22日、シンガポールの関連会社シングライフを子会社化すると発表した。米大手投資ファンドTPGが保有するシングライフの株式35.48%を15億8,000万Sドル(約1,700億円)で取得する。東南アジアでの事業を拡大する経営戦略の一環となる。

住友生命は今年9月、英保険大手アビバからシングライフの株式25.94%を取得し、今年10~12月期に取引を完了すると発表していた。既に23.22%を出資しており、出資比率は約49%に高まることになった。

今回の株式の追加取得で出資比率は8割を超え、シングライフは住友生命の子会社となる。当局の承認後、2024年3月末までの手続き完了を見込む。今後は残る既存株主からの株式取得を進め、完全子会社化を目指す。

24年4月には、シングライフとの関係強化や東南アジアの市場調査を目的としてシンガポール拠点を設立する予定だ。アジア事業戦略の推進やグループ全体でのガバナンス(企業統治)体制の強化に向け、アジア事業統括拠点の設立も視野に入れている。

住友生命は、東南アジア事業戦略を進める上でシンガポールを中核市場と位置付けている。19年に初めてシングライフに約100億円を出資。20年には約250億円を追加出資するなど、長期的に経営に関与する戦略投資家としてシングライフの事業拡大を支援してきた。

シングライフは20年9月、英保険大手アビバの現地法人、アビバ・シンガポールとの合併を発表するなど順調に業容を拡大。合併後の企業価値は32億Sドルで、取引額はシンガポールの保険業界で最大規模となった。

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