大の里「まず勝ち越し」 新入幕会見、スピード出世も謙虚

大の里

  ●「Xマス予定は?」たじたじ「相撲一筋で」

 「まだまだ新弟子なんで」。初土俵から所要4場所でのスピード出世にも、大の里は謙虚だった。25日の新入幕会見では一つ一つ言葉を選び、幕内となっても愚直に相撲と向き合う姿勢を強調。二所ノ関親方(元稀勢の里)が「横綱、大関の素質はある」と断言しても、本人は西前頭15枚目として臨む初場所に向け「けがせず、まずは勝ち越しを目指したい」と語るにとどめ、着実に進むことを誓った。

 両国国技館で行われた会見には約40人の報道陣が詰め掛けた。最初は緊張した表情の大の里だったが、憧れの土俵に立てる喜びを語り始めると、自然と笑みがこぼれるように。「自分のしこ名が大きくなったのを見てうれしかった。新入幕したんだなって気持ちになった」。25日朝、番付表を見た瞬間の気持ちをこう振り返った。

  ●「幕内はかっこいい」

 まだ日体大生だった今年の初場所は、一相撲ファンとして国技館2階の一番上の席で観戦した大の里。「やっぱり幕内は歓声の量も違うし、かっこいい。自分が見ていた舞台にもうすぐ立てる」。憧れの土俵に胸を躍らせた。

 一方、本場所の話題に入ると、控えめな回答に終始した。初場所の目標を問われても「8番以上勝てればいい」とだけ語り、「優勝」の二文字は出ずじまい。二所ノ関親方が「僕は新入幕で10番勝ちたいと思っていた。敢闘賞をもらえるので」と水を向けたものの、大の里は「先のことは考えない」とぶれなかった。

 予想外の質問にたじろぐ一幕もあった。報道陣にクリスマスの予定を尋ねられると「何もないです、相撲一筋で」と苦笑いを浮かべた。

 親方は「初場所はいっぱい新聞に載るように頑張って」とエールを送り、出世の「ご褒美」は大関昇進時に贈る考えを示した。大の里は「石川からの応援を感じることも多い。次は結果を出して応援に応えられるように頑張りたい」と新年の土俵を見据えた。

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