朝乃山、初場所前頭7枚目 復帰後初、番付下げ

朝乃山

 日本相撲協会は25日、大相撲初場所(来年1月14日初日・両国国技館)の新番付を発表し、朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は西前頭7枚目に座った。6場所出場停止処分からの復帰後初めて番付が下がった。新年の土俵は三役復帰に向けた仕切り直しの場所になる。

 朝乃山は平幕最高位となる東前頭筆頭に番付を上げたが、九州場所直前に左ふくらはぎを負傷した。肉離れが完治せず、初日から休場し、8日目から途中出場。大関貴景勝を下すなど存在感は発揮したものの、4勝4敗7休で終え、9場所連続の勝ち越しはならなかった。

 今も左ふくらはぎにはサポーターを施しており、冬巡業でも申し合い稽古には参加しなかった。24日の栃木巡業でも申し合い稽古中は念入りに四股を踏んだり、ストレッチに時間を費やしていた。

 初場所初日までの約3週間でまずは体調を万全にし、どこまで状態を高められるかが焦点となる。初場所は役力士との直接対決がない番付となるが、白星を重ねていけば後半は上位陣との対戦が組まれる可能性もある。幸先よく一年のスタートを切ることができるか、注目が集まる。

  ●「優勝狙える」飛躍の年に 県内ファン

  ●スタートダッシュ期待

 富山県内の支援者やファンは新番付を「優勝を狙える良い位置」と受け止め、初場所からのスタートダッシュに期待を込めた。

 朝乃山富山後援会の青木仁理事長は「けがもあり、結果は結果。来年は辰年でもあり、昇り竜のように飛躍の年にしてもらいたい」と願った。気持ち新たに再スタートを切れるよう、発破を掛けていくという。

 朝乃山の実家がある富山市呉羽町の貴船巻町内会長の酒井龍男さんは役力士との直接対決がない番付に「序盤に白星を積み重ねて勢いに乗り、目指すは優勝」とエール。呉羽地区自治振興会の北森正誠会長は「取りこぼしがないようにし、三役復帰はもちろん元の大関の地位、さらにその上にのぼって」と飛躍の1年に期待を膨らませた。

 県警OBらでつくる「富山を楽しくする会」の長谷川敏博事務局長は「10枚目以内にとどまり、先場所で途中出場したかいがあった」と話した。

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