未唯mie、今年の漢字は「躍」 ドラマで本領発揮のダンス、新春公演に意欲 ピンク・レディー50周年へ

1970年代後半に社会現象を巻き起こした女性デュオ「ピンク・レディー」の未唯mie(65)にとって今年は充実の1年だった。集大成的な作品の相次ぐリリース、ギター演奏や日本テレビ系ドラマ「セクシー田中さん」で取り組んだベリーダンスなど新たな表現にも挑戦。年末年始に控える公演を前に、未唯mieがよろず~ニュースの取材に対し、今年1年の自身を表す漢字1字を「躍」とした。

2月に16年ぶりの新曲となる「Hallelujah《ハレルヤ》」を配信リリースし、昨夏から練習したギターの弾き語りを披露。同曲を含むソロ時代のベスト盤「MIE to 未唯mie」が3月に、ピンク・レディー時代のTBS秘蔵映像などを収めた6枚組DVDが4月にリリースされた。

未唯mieは「1981年のソロデビューから2023年の新曲収録までのオールタイムベストということで、これまで何を表現してきたのか、その方向性もお伝えするアルバムになったと思います。自分がどんな思いで、自立して歩むためにどんな歌を歌い、どんな生き方をしてきたか、自分の人生を振り返るみたいなところがあって、そういう意味でも意味深い1年になったなと思いますね」と振り返った。

テレビのトーク番組ではテレビ朝日系「徹子の部屋」や日本テレビ系「踊る!さんま御殿!!」、ドラマは「セクシー田中さん」などに出演した。

「いろんな番組にも出させていただいて、(明石家)さんまさんともお久しぶりにたくさんお話もできました。ゴールデンの連ドラ(セクシー田中さん)も久しぶりでした。なんか、こう、普通の出方じゃなくて、インパクトがあるというか、(普段とは)別のテンションが沸いてくる役でしたね」

「セクシー田中さん」では、安田顕扮するレストラン店主が叩く打楽器「タラブッカ」に合わせて踊るシーンに、新春恒例の公演「ピンク・レディー・ナイト」が重なった。大胆なアレンジを施したピンク・レディーのヒット曲が、パーカッション奏者・仙波清彦率いるビッグバンドによって演奏されるのだが、インドのタブラ、韓国のチャンゴ、西アフリカのジャンベ、ラテン音楽のコンガやボンゴといった多国籍な打楽器隊とのアンサンブルがあり、そうした音楽活動で培った体験もドラマに生きていた。

同公演は3枚組(CD2枚、DVD1枚)のライブ盤を昨年末に発売。15年目となる24年の新春公演は1月6日にビルボードライブ横浜、13日にビルボードライブ大阪、20日と21日に東京・目黒のブルースアレイジャパンで開催される。曲順やアレンジが不変でもリピーターが多いという。

「ピンク・レディーの曲がこんなに変わるんだという発見がある。20人以上のミュージシャンたちが音楽的に面白いことをしていて、その面白さは1回や2回では気づけない。コアなファンの方は最初から毎回欠かさず観てくださっていて、何回観ても新しい発見があると言ってくださっています」

27日には日本テレビ系歌番組「今年イチバン聴いた歌~年間ミュージックアワード2023~」に出演し、ピンク・レディーの曲を生放送で3曲歌う。大みそかには石川県立音楽堂コンサートホールでオーケストラ・アンサンブル金沢と共に華原朋美らと出演予定。「ピンク・レディー楽曲とソロ曲の『NEVER』と『ハレルヤ』を歌います。久々のカウントダウン、とても楽しみです」と意気込む。

「面白い1年」だったという23年も残りわずか。「今年を漢字1文字で表すと?」と尋ねると、未唯mieは「『躍』…。飛躍の躍です」と即答。「そう質問された時、パッと浮かんだ字です」と付け加えた。

今後の音楽活動に向けて「表現の1つとして、踊ることについては歌手を目指していた頃からイメージしていました。今年のベリーダンスみたいに、また出会いがあれば何にでも挑戦していきたい。歌については、呼吸法に近い、体を楽器として使えるようなトレーニングをしてきて、それが身に付いてきました。体を楽器にするように作り替えていくことによって、どんな声が出るようになるのか自分でも楽しみにしたいです」と意欲的だ。

年が明ければ、26年のピンク・レディー50周年にまた一歩近づく。パートナーの増田恵子(ケイ)について「チャンスがあったら一緒にやりたいと思っていますけど、元々、性格も感覚も全く違う2人だったので、『これね!』と1つに絞れるものがなかなか生まれにくいんですけど、それが生まれた時には楽しく何か表現できたらいいなと。そこは楽しみにしたいです」。新たな可能性に期待を込めた。

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未唯mie(みい)1976年8月、ピンク・レディーとして「ペッパー警部」でデビュー。81年3月まで4年7か月活動し、同年8月に「ブラームスはロックがお好き」でソロデビュー。その後、舞台、ミュージカル、コンサート、テレビ等多岐に渡って活動。2008年に絵本「モコちゃん」、12年にエッセイ「美の意識~いつでもピンク・レディーでいられる私の習慣」を出版。18年に食育実践マスターコース認定、21年に五世花柳流宗家家元花柳壽輔より花柳舞千鳥の名を許され名取となる。

(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)

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