埼玉は全国4番目…ダイハツ不正、影響大きく 県内345社が取引 生産停止長期化なら致命的ダメージも

ダイハツ県内取引先は345社 生産停止で資金繰りに影響も

 東京商工リサーチ埼玉支店によると、品質不正で全車種出荷停止となったダイハツ工業(大阪府池田市)や、埼玉ダイハツ販売(さいたま市南区)など主要子会社5社と取引のある県内企業は345社に上ることが分かった。

 1次(直接)取引は、仕入先が25社、販売先が148社、2次(間接)取引は、仕入先が110社、販売先が86社。仕入先と販売先の重複を除いた取引先は計345社だった。

 産業別では、サービス業ほかの101社(構成比29.3%)が最多。次いで製造業の92社(同26.7%)。製造業の仕入先は1次取引14社、2次取引78社と複層的なサプライチェーンが形成されている。

 業種別では、自動車一般整備業が49社で最も多く、新車自動車小売業が48社、中古自動車小売業が34社で続いた。県内には主要子会社の埼玉ダイハツ販売があることから、販売先は自動車販売店を中心に小売業の構成比が目立つ。

 資本金別では、1千万円以上5千万円未満が最多の139社(同40.3%)。1千万円未満の小・零細企業も134社(同38.8%)あった。都道府県別では、東京都の1209社が最多。本社や工場のある大阪府が929社、親会社のトヨタ自動車本社がある愛知県が873社で続いた。埼玉県は345社で全国4番目。

 同支店は「生産停止が長期化すると複層的なサプライチェーンが分断され、グループに依存する企業のダメージは大きくなる。コロナ禍で業績が回復途上の企業は生産停止の余波が資金繰りを直撃する可能性もあり、黒字倒産を招く事態もある」と分析している。

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